このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「トロッコ列車に乗る」

駅の構内ではJR九州の社員さんがトロッコ列車の運行の準備を行っていた。イスや机を持ってうろうろ・・・。何だか申し訳ない。社員の方と雑談などしている内に由布院駅の方向からタイフォンが聞こえる。濃緑の地に金色のロゴをまとったディーゼルカーが坂を上ってくるのが見えた。「TORO-Q(トロキュー)」号である。このトロッコ列車、由布院方から「キハ65-36+「トラ74858+「トラ72792+「トラ74319+「キハ58-569」の5両編成。JRの方によると、車輌デザインは「787系つばめ」などと同じく水戸岡鋭治氏。10月18日に由布院駅のアートホールで開かれた「全国トロッコサミット」でデビュー後、季節の関係で今回のシャトル輸送(由布院−南由布間を50分ヘッド、1日10往復する)が今年最後の運行になるとか。

TORO-Q」号に乗る。ここはトロッコ車輌に乗らなきゃダメでしょう。車輌はといえば、木製のイスとテーブルが配置されている。程なく発車時刻になり、ガタンという衝動と共にゆっくりと走り始めた。タタンタタンと軽快に由布院盆地の中を走る。田園地帯から集落、そして市街地と次々と風景が流れていきその背後には常に由布岳の優美な山容が見える。由布院を通る久大線には、アクセス特急としての「ゆふいんの森」だけでなく、何かしら人を惹きつける列車が運行されないかと以前から思っていた。1駅区間ということもありわずか数分の乗車時間だが、風景が手の届きそうな所に感じる。これだけのパノラマを楽しめるのはトロッコ列車の醍醐味であろう。


そうして由布院駅のホームに滑り込み、終点。9時56分南由布発のこの列車には20名ほどしか乗っていなかったが、時間が進むにつれ利用客も増えるだろう。



「実験とボランティア」

跨線橋を渡り、改札を抜けると眼前にどかんと由布岳。この感覚を忘れていた。自動車を持つまでは当然のように存在していた儀式のような物だ。由布見通りを金鱗湖の方へ歩く。所々で足を止めシャッターを押すのはいつもと同じ。

「トロッコ列車に乗る」 -湯布院町交通社会実験-
町中心部の主な場所にはカウンターを持った人が座っている。初めは町の職員さんとも思ったが、話を聞いてみるとボランティアの人だった。話を聞くと「弁当くらい出るかなぁ。」と笑っておられたが、男性に女性、PTAなど地元の人、県外の人・・・。様々な人が集まっているのが解る。ボランティアへの参加によって、全くの他人同士がつながっている。その間にあるのは、それぞれが持っている「由布院」への気持ち。少しうらやましく思えた。

最新号の町報によると、町職員などの492人のスタッフの他に781人の人がボランティアとしてこの2日間の実験を支えたそうだ。

また、町の要所にテントが立てられており、そこでは観光客への観光案内やアンケート配布などを行っていた。「是非!!」とすすめられたのでアンケートに記入する。質問内容は、「湯布院へは何回目の訪問・・・。」や、交通手段のような一般的な質問から、交通社会実験の印象、問題点、実験の今後の継続について、ご意見記入などであった。対応して下さったボランティアの方と雑談をしながらこれを記入する。

ボランティアの方々は、その他にも車輌規制地域での交通誘導、街頭での実験の主旨説明・・・などなど、それぞれの場所でそれぞれの役目を果たしていた。皆さん生き生きとした顔をされている様に思えた。




「昼食」
今回選んだのは「貧乏な貴族」である。既に有名店。店内は昭和の映画ポスターで彩られ、注文を受けてから豆乳ににがりを加える「造りたて生豆腐」といったメニューがウリ。
知ってはいても、入ったことがないのが私。というわけで「地鶏のカレー」(1000円)を注文。彼女は「焼きいもぜんざい」(800円)。「よくそんな甘い物を食べれるな・・・。」と彼女を横目で見つつも、ごちそうさま。味は良かったと思います。
昼食を終えての帰りの列車。南由布からの上り列車は満員であった。当然これから乗る南由布への列車もだ。行きと同じく、トロッコの席に座り出発を待った。
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