このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



<1-1・テロリストの侵入>


「そんなぁ!頼みますよ、お得意さんに13時に届けるって約束してるのに…」

「ご覧の通りこの一帯は12時から14時まで封鎖となっています。申し訳ないが
 別ルートで迂回していってください。」

「迂回!?そんな無茶な…」

宅配便のトラックの運転手とライオトルーパー隊の一人が通行人の見守る中
そんなやりとりをしている。

「いきなり封鎖って言われてもなぁ…」

「何でも本社新社長の就任パーティーで、空港から本社までの間の道
 全てを封鎖してるらしいぜ。」

「パーティーがあるってのは聞いてたけど…それでもいきなり封鎖ってのも
 どうかと思うけどなぁ?

 最近のスマートブレインのやり方ってのは強引じゃないか…」

「しっ!あんまデカイ声でそんなこと言うなよ。あいつらに連れて行かれるぞ…」

やり取りを見守る中のサラリーマン風の男二人がそんな会話を交わしている。

          “オルフェノクと人間の共存を”

という落書きの上に真っ赤な×印がペイントされた壁のある細い路地裏。

そんな箇所でもこの日はライオトルーパーが2〜3人立ち入っている。


「隊長、指定地域に接続する全道路A01〜P18ポイントまでの封鎖を完了しました。」

「ご苦労。あとはありんこ1ぴきたりとも入らないよう見張るように
 全ポイントに命令しておけ。

あと、地域内のビルや建物全て空にしたんだろうな?」

「はい。指定地域内で人間がいるのは本社と我々だけですよ。」

警護本部−ライオトルーパー隊の隊長鮎沢が副隊長と最終確認をしている。

反スマートブレインを掲げるいわば“テロ”が起こらないよう

この日は空港から本社までの道路と
そこへつながる全ての道路を封鎖、

なおかつ地域内の建物から全ての人間を追い出しての徹底的な
厳戒態勢をとっていた。

「隊長、来賓の方々が予定時刻通りに空港を公用車で出発したそうです。」

鮎沢のもとへ駆け寄った隊員が告げる。

「よし、後はちゃんと迷子にならないように本社までお届けしろ。」

そう言うと鮎沢は少しつまらなさそうに背伸びをした。


装甲車に先導され、各国の代表者たちが乗った公用車が空港から本社への道路を、列をなして続く。

その両脇を一定感覚でライオトルーパーの駆るジャイロアッタカーが警護する。

何事も無く順調に進む車列。

だが、ちょうどルートの半分の場所に当たる大きな十字路に差し掛かったとき、

突如として進行方向右側からスマートブレインの大型トレーラーが直進してきた。

脇をかためていたジャイロアタッカー数台が列を離れ、トレーラーの前に壁を作るように並ぶ。

「そこのトレーラー、ただちに停車せよ!」

だがトレーラーは停車するどころか、余計にスピードをあげて突進してくる。

それに驚き壁はくずれ散り散りになった。

次の瞬間、トレーラーが車列の中の公用車の一台に突っ込んだ。

公用車に直撃したトレーラーの運転席と助手席から二人の若い男が飛び降りる。

飛び降りた二人は瞬時にオルフェノク—

シャークオルフェノクとゴリラオルフェノクへと変化した。

そのまま衝突した公用車に駆け寄るが、それに乗っていた通称・プレジデントのSPであるKが

扉ごとトレーラーを押しのけ姿を現し、瞬時にバッファローオルフェノクへと変化した。

Kは雄叫びをあげるとシャークオルフェノクとゴリラオルフェノクに飛び掛り、周囲の

ライオトルーパーを巻き込み戦闘になった。

その間にプレジデントたち各国の代表者はライオトルーパー部隊の装甲車に乗り換えると

その場を離れた。

直後トレーラー後部の扉が開き、そこから2台のジェットスライガーが飛び出した。

後部の扉に注意をむけていたライオトルーパーたちを跳ね飛ばし、装甲車の後を追いかける。

ジェットスライガーを駆るのはそれぞれ若い男と女だった。


「隊長、大変です!」

本部では急な襲撃に混乱し、情報収集すらままならない状態だった。

「落ち着け!まずは奴らがどこから侵入してきたかだ!
 あんなでっかいもん何故通した
!?何故気付かない!?

「隊長、現場付近のM10ポイントからの反応がありません…おそらく奴らはそこから…」

「代表者を乗せた装甲車を追っている2台のジェットスライガーを確認しました!
 どうします隊長!?」

「こうなったら首都高の非難経路を使う。
 装甲車を
N05ポイント付近にある首都高入口から首都高に上げ、
あとは手はずどおりにやれ!
 それから基地に連絡してジェットスライガー部隊に出動命令をしろ!」

「了解しました!…しかし、到底ジェットスライガー部隊は間に合わないような気が…」

「いいから命令するんだ!お前は俺の言うことが聞けないのか!」

「わ、わかりました…。」

鮎沢は副隊長と隊員に怒鳴り散らしながら指示をした。

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