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<1-2・ギア>


一方、装甲車は鮎沢の指示通り首都高に上がり非難道路を走る。

入口は鉄製のゲートで封鎖されたが、ジェットスライガーにとってそんなものは

段ボールの壁と変わらない。

すぐに突破し装甲車の後を追う。

首都高上では装甲車の通過地点で次々と同じようにゲートが設けられるがなんら役に立たず

警備に当たるライオトルーパーごと撃破されていく。

むしろそれらのゲートの残骸は後から追いついてきた味方のジャイロアタッカーの

進行を妨げるものとなった。

ゲートを通過しながら着実に装甲車との距離をつめるジェットスライガー。

前方を走る女の乗ったそれが装甲車に照準を合わせる。

後方の男の乗ったジェットスライガーは急停車し、後から何とか追いついたライオトルーパーたちの

行く手をふさぐ。

「変身」

STANDING BY

ライオトルーパーたちを睨みつけながら、男は顔の横に構えたデルタフォンにつぶやいた。

COMPLETE

ジェットスライガー上にデルタが現れた。


照準を定めた女性が前方に向けフォトンブラッド弾を発射した。

その攻撃により次々と装甲車を大破させていく。

やがて最後の装甲車も彼女の手により葬られた。

辺り一面残骸が散らばり、赤い炎があちらこちらで燃えている。

そしてその赤い炎に混じり青い炎も燃えている。

ジェットスライガーを停め、降りた女—といってもまだ少女のようだが—

がフォンブラスターを
構えながら残骸に歩み寄る。

すると残骸の中から悪態をつきながらプレジデントが立ち上がり彼女をにらみつけ

ベア・オルフェノクへと変化した。

表情ひとつ変えることなく少女は手にしたフォンブラスターをおりたたむと

それに向かってささやいた。

「変身…」

STANDING BY

女性の声でフォンが答える。

COMPLETE

フォンをドライバーに装填すると次の瞬間

シグマの強化スーツをまとった銀色の戦士が現れた。

重鈍そうな外見に似合わずすばやい動きで迫るベア・オルフェノクの攻撃をかわしながら

流れるような動きで
連続攻撃を打ち込むシグマ。

そのシグマの動きを封じる長い触手—通称・首領が変化したジェリーフィッシュ・オルフェノク

がベア・オルフェノクに加勢した。

だがシグマは動ずる様子もない。

近寄る両オルフェノクを交互に見ると高くジャンプした。

両肩に装着された小型のフライングアッタカーが作動する。

そのまま空に逃れたシグマの体から触手が引き離れた。

シグマは腰のマウントからシグマ・ウェポンをはずすと

「チェック」

とウェポンにささやいた。

EXCEED CHARGE

ウェポンが応える。

ジェリーフィッシュ・オルフェノクに向けて青い光の矢が放たれる。

その矢に向かい急降下するシグマー

—メタトロンズスピア—

シグマの必殺キックがジェリーフィッシュ・オルフェノクを瞬時に灰と化す。

しゃがんだ姿勢のシグマめがけてベア・オルフェノクが攻撃を加える。

それをよけたシグマがまたウェポンにささやいた。

「フィニッシュ」

ベア・オルフェノクに向かって光弾が放たれ、直撃した。

身動きがとれずもがくベア・オルフェノク。

ウェポンで斬り込むシグマ。

—ベヒモスファング—

青い光となってシグマはベア・オルフェノクの体を貫いた。

断末魔の声をあげベア・オルフェノクも灰と化した。


一方バッファロー・オルフェノクたちとの戦闘に、二人のオルフェノクは苦戦していた。

さっきからライオトルーパーたちは遠巻きに戦闘を眺めている。

というのもバッファロー・オルフェノクは手にした鉄球を振り回し

敵味方関係なく傷つけるからである。

二人のオルフェノクがその鉄球に吹き飛ばされた。

同時に人間の姿に戻る二人。

見物を決め込んでいたライオトルーパーたちもバッファロー・オルフェノクも

止めの瞬間だと思った。

しかし二人はすぐさま立ち上がり手にしたデルタフォンに

「変身!」と叫ぶと腰に巻いたベルトに差し込んだ。

二人のデルタが現れる。

おかまいなしといった感じで彷徨をあげると、バッファロー・オルフェノクは

鉄球を振り回しながら二人の
デルタめがけて突っ込んでいく。

二人のデルタはすぐさま腰のマウントからデルタムーバを外すと

ブラスターモードへと移行させ
バッファロー・オルフェノクの

鉄球を持った手めがけて連射した。

その衝撃で鉄球を手放すバッファロー・オルフェノク。

だが立ち止まらず頭の角を突き出し走り続ける。

二人のデルタは両側からその角をつかむと、同時にバッファローの腹部に蹴りをくわえた。

後ずさりするバッファロー・オルフェノク。

デルタムーバをポインターモードに移行すると至近距離からそれを放った。

バッファロー・オルフェノクの左右に光の三角錐が出現する。

その光めがけて飛び込む二人のデルタ。

—W・ルシファーズハンマー—

二人のデルタが体を貫くと断末魔を残しバッファロー・オルフェノクは

赤い炎をあげながら崩れ落ちた。

周囲を固めていたライオトルーパーたちの中からどよめきが起こった。

それを気にすることなく二人は勝利の喜びを分かち合うとすぐさまトレーラーに乗り込んだ。

走り出したトレーラーを追跡しようとするライオトルーパーは一人もいなかった。

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