このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



<2-3・苦戦>

センチピードの繰り出す2本の鞭攻撃に福地は苦戦していた。

福地の周囲の地面を絶えず鞭が打ち、それをよけながら福地は琢磨に照準を合わせようとするが

次々と鞭が飛んでくる。

福地がギリギリでかわしているかのようにも見えるが、琢磨の方がわざと外しているようにも見える。

福地が鞭攻撃の一瞬のスキを見つけ照準を合わせ、デルタムーバをかまえた。

しかし次の瞬間、琢磨の鞭が福地の右手を打ち据え、デルタムーバを叩き落した。

次の鞭が福地の首に巻きつく。

しまるのを防ぐため、とっさに鞭と首の間に左腕をもぐりこませたが、次の鞭が体を拘束し

自由を奪った。

「残念でしたね。」と琢磨が鞭をしめあげる。

福地の全身を激痛が走り、膝をついて苦しむ。

琢磨は鞭を通じて福地の全身に上級オルフェノク特有のエネルギー波を送り続けた。

「どれくらいもつか、ためしてみましょうか?」

影に映る琢磨の顔にサディスティックな笑みが浮かんだ。


一方、美香と冴子は激しく剣をまじ合わせていた。

いつもなら流れるような攻撃を行う美香であったが、冴子相手にはそれができない。

美香が攻撃を繰り出すと冴子にそれをさばかれ、冴子のカウンター攻撃を美香がさばく

というパターンの
繰り返しである。

互角の勝負—それを打破すべく美香が間合いを離した。

両肩のアーマーが展開し、その下からフライングアタッカーのブースターが現れた。

間合いをつめる冴子を地上に取り残し、美香の体が上空に舞い上がる。

だが−

「フフフ…逃がさないわよ」

そう言うとロブスターオルフェノクの両脚が海老の尻尾を思わせる形状に変化した。

美香を追いかけ冴子も上空へと飛び上がった。

「えっ!?

動揺の声をあげた美香を冴子が追い越す。

そして今度は降下し、その尻尾状の下半身で美香を地上に叩きつけた。

「ぐぅっ…!」

うめきながらも立ち上がろうとする美香の目前に冴子が舞い降りた。

「だから言ったでしょ。あのときの私とは違うって…さぁ、お立ちなさい!」

影に映る冴子の顔が微笑みから冷酷な表情に変わった。


怒りに燃えるジェイの猛攻の前に、新城・遠山も苦戦していた。

接近戦では明らかにジェイのパワーの方が上であった。

二人はデルタムーバをブラスターモードにすると構え、ジェイめがけてフォトンブラッドの

光弾を
浴びせかけた。

しかしそれを受けながらもジェイは二人めがけて突進してくる。

遠山をタックルで弾き飛ばすと、新城めがけてキックを放つ。

ガードさえも効かない圧倒的なパワーに新城も弾き飛ばされる。

「こいつ…化けモンや」

新城がうめく。

遠山も悔しそうに地面を叩き

「くそっ…こんなとこでくたばってたまるか!」とうめくと立ち上がる。

新城も同時に立ち上がる。

ジェイがまた咆哮をあげた。


龍人態の素早い動きと攻撃に山上は翻弄されていた。

そこへオートバジンMK-Ⅱがバトルモードで加勢した。

北崎めがけて勇敢に立ち向かうオートバジン。

龍人態の動きに合わせて背中のフライングアッタカーを調節しながら、パンチを放つ。

その間に山上はアクセルフォームを起動させた。

オートバジンとファイズ2NDの高速連動攻撃に、さすがの北崎も余裕ではいられなくなった。

魔人態に戻るとまずはバジンを強力な攻撃でビーグルモードへ強制的に変形させると

ファイズ2NDのタイムアップを狙い、えぐるようなアッパーを山上にくらわした。

山上の体からベルトが外れ飛ぶ。

変身の解けた山上めがけ北崎が容赦なくドラゴンクローのパンチを浴びせる。

その攻撃をとっさによけた山上の顔にすじ模様が浮かびオルフェノクへと変化した。

イーグルオルフェノク−鷲の特性を持つオルフェノク、それが山上のもう一つの姿であった。

その手に両端に斧刃がついた武器が現れた。

それを頭上で回転させると北崎めがけて振り下ろす。

その攻撃を北崎は両腕のドラゴンクローで受け止めた。

すると山上の背中に大きな翼が広がり、そのまま飛翔した。

空中で止まると翼が大きく展開する。

そこから無数の青いレーザービームが発射された。

北崎は両腕を顔の前で交差するとドラゴンクローでそれらを防いだ。

青い光の正体である無数の羽根がクローに突き刺さる。

それらを振り払うと「今度はこっちの番だよ」と不気味な北崎の声が響いた。

両腕を高々と上げると「はぁーっ!」と北崎は力を込めた。

すると山上の頭上で閃光が走り、すさまじい雷撃がその体を貫いた。

山上はそのまま地上に落下し、地面に叩きつけられた。

「くっ、まさかこれほどとは…」

うめく山上に向かって

「もう飽きたな…そろそろ終わりにしようか?」と北崎が冷酷に言い放った。


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