このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



<3-3・決着>

一方、巧・バジンとジェイの闘いは、やはりジェイの力に巧たちが押され気味になってきていた。

素手による格闘はジェイの方が有利。

巧はバジンの左ハンドルにミッションメモリーを装填すると引き抜いた。

ファイズエッジを手にジェイに斬りこむ。

ジェイもそれに応えるかのように大剣をその手に召喚する。

火花を散らしながら巧とジェイは闘いを繰り広げる。

しかし大剣を振りかざすジェイのパワーに巧の手からファイズエッジが払い飛ばされた。

ジェイの腕が巧の首をつかみ持ち上げる。

「くそっ!放せ、このヤロウ!」

そう言いながら巧はジェイの体を蹴るが、それに動じることなくジェイは剣を離したその手で

巧の腰のベルトをつかむ。

そのまま引き剥がそうとしてるのだ。

そんなジェイの横からバジンがタックルをくらわす。

ジェイは飛ばされ、巧はその場に放された。

なおもバジンはジェイに追い討ちをかけようとする。

ジェイは拾い上げた大剣でバジンを斬り上げた。

そのショックでバジンはビーグルモードに戻った。

その間に巧がファイズショットを起動させチャージする。

ジェイに向かって走り込むとグランインパクトをその体に打ち込んだ。

苦しみ後退するジェイだったが、倒れるまでにいたらない。

巧は続けてファイズポインターを脚に装着するとチャージする。

ポインティングマーカーがジェイに向かって放たれ、その光に巧が飛び込んだ。

クリムゾンスマッシュはジェイのかまえた大剣に当たると激しく紅い光を飛ばした。

「ぐぅぅー…はぁーっ!」

巧の気合の入った声が響く。

じょじょにクリムゾンスマッシュが当たっている部分から青白い炎があがりはじめる。

次の瞬間、大剣が飛び散りジェイの体をファイズが貫いた。

その瞬間、断末魔とφの文字を残し、ジェイの体が青白い炎をあげながら崩れ去った。


その結末を見ることもなく遠山は山上の腕の中で弱い息を続けていた。

美香もその場に駆け付けていた。

「しっかりしろ!遠山!」

山上が声をかける。その目に涙が浮かんでいる。

「遠山さん、死んだら承知せんで!」

新城は涙交じりの声でそう叱咤する。

遠山はうっすらと笑い

「…泣かないでください…山上さん…闘いに犠牲はつきものです…それに…
 俺は…これで安心して朋美のもとへいけるんです…だから…」

そう言うと遠山は目を細めた。

「ただ…山上さんに…お願いしたいことがあります…」

そう言うとゆっくりとした動きで右腕の赤いリボンを外す。

そしてそれを山上の目の前に差し出すと

「…朋美の…俺の…夢をどうか実現させてください…お願いします…。」と微笑んだ。

「わかった…必ず…」

そう頷くとその手をリボンごと握り締めた。

遠山は安心したかのように穏やかな表情をして目をつぶった。

山上の手からリボンだけを残し、遠山の手が抜け落ちた。

やがて青白い炎がその全身からふきあがる。

山上は赤いリボンを握りしめたちあがると、燃え尽きるまで見届けた。


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