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<6-1・青空理髪店>

抜けるような青空の下—

真理は彼女を「真理姉(まりねぇ)」と慕う翼という少年に髪をカットしてもらっている。

「ずいぶん上手になったじゃない?翼」

そう少し顔を翼に向けて真理が言った。

「当たり前じゃん、毎日練習してるんだからさ」

そう言いながら翼はカットを続ける。

「ふ〜ん。そういえば、最近遥ちゃんとはどうなの?うまくいってるの?」

また顔を少し向けて真理が言う。

「なぁ、真理姉」

翼が手を休め、声をかける。

「う〜ん?」

真理が応える。

「おばさんくさくなったな。」

真理の頭を軽く押さえながら翼が言う。

「何ですって!」

「そう言う真理姉こそ、巧さんとどうなんだよ?」

話をごまかすように翼が言った。

「あのね、皆、私と巧ができてるとか、付き合ってるだとか言ってるけど
 そんなこと全然ないから。私たちはただの友達なの!」

少し語気を荒げ真理が言う。

「けど、真理姉と巧さんてお似合いのカップルだと思うんだけどなぁ…」

「翼〜、真理姉!」

真理と翼がそんな会話を交わしていると翼のガールフレンドである遥が二人のもとへと駆けてきた。

「真理姉、カットしてもらってるんだ、いいなぁ〜。
 ねえねえ翼、私も真理姉の後に髪カットしてよ」

遥が嬉しそうに翼に言う。

「え〜?お前、この前カットしたばっかりだろ」

翼があきれたように言う。

「いいじゃない、翼、遥ちゃんもカットしてあげなよ。」

真理が二人を取り持つように言った。

「まぁ、いいか…よ〜し、じゃあ真理姉のカットは適当に終わらせて、遥のカットしようかな?」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

少しふくれた顔で真理が言う。

「ハハハ、冗談だよ、冗談」

そう言いながら翼が笑う。遥も笑う。真理もつられて笑った。

翼と遥−真理はいつも二人を見ると嬉しい気持ちになる。

二人が真理たちの仲間“反スマートブレイン連合”に加わったのは半年ほど前のことであった。

翼はオルフェノク。遥は人間。

二人の出会い、それは−


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