人間解放軍本部近くに止まった2台のトレーラーの周りでは真理、沙耶、里奈を中心とした女子たちが戦闘で傷ついた仲間の手当てをしていた。 前線のライダーやオルフェノクの活躍で数多くいたライオトルーパーたちもかなり減り トレーラー周囲は安全圏となった。 しかしその代償に多くの仲間が犠牲になり、また負傷した。 まるで小さな野戦病院。 真理は翼の手当てを遥と共にしていた。 「全く、弱いクセに無理して!」 真理が少し怒ったふうに翼に言う。 「ゴメン…けどやっぱ巧さんとか皆闘ってるんだし、俺も闘わなきゃいけないと思ってさ。」 彼はオルフェノクではあったが、実力的に後方部隊—啓太郎たちと行動をともにするように 言われていたが、戦闘が進むと前線に駆け上り負傷を負ったのである。 ニッコリ笑う彼の顔を見て真理はもう何も言い返さなかった。 しかし、そこへ不似合いな姿の来訪者がやってきた。 「は〜い。」 スマートブルーのタイトなスーツに身を包んだスマートブレインの顔−スマートレディが 軽く手を振った。 真理たちが手を止め彼女に注目したのを確認するとスマートレディがいつものように アクションを付け 「今日は、とーっても残念な日と、とーってもハッピーな日です。
残念なことは…スマートブレインが分裂してしまったこと…え〜ん、悲しい。
そしてハッピーなことは…あなたち出会えたこと。きゃっ♪嬉しい。」 そう言うと泣き真似をしたかと思うと今度は真理たちに投げキッスをした。 もちろん誰もが嫌そうな顔をして、中にはよけるように顔を背けるものもいた。 「今までネット上でスマートブレインの情報を流し続けていたあなたたちに
今日はお姉さんがた〜っぷりお仕置きをしてあ・げ・る♪覚悟しなさい。」 そう言うと笑顔だったスマートレディの顔が一変し怒りの表情となった。 「変身」 左手を顔の前にかまえバイオトルーパーギアのボタンを押した。 スマートレディの体をスマートブルーの戦闘スーツが包む。 変身が終わるとスマートレディはギアのミッションメモリーをバックルに差し込んだ。 右腰に銃−キグナスガンが現れ、それを引き抜き歩き始める。 それを見て翼がドラゴンフライオルフェノクに変化して スマートレディに突っ込んでいった。 「翼君!」 「翼!」 真理や遥の制止も聞かず攻撃を続ける。 一方、スマートレディはそれをよけながらギアのボタンを押す。 「EXCEED CHARGE」 フォトンブラッドがガンに流れ込む。翼のパンチをよけると 「ばいば〜い♪」 とスマートレディがかまえトリガーをひく。 青いフォトンブラッド弾が発射され着弾する。 翼の体が一瞬にして凍りつき動かなくなった。 「スマイルゼロ」 そうつぶやくとスマートレディはまたトリガーをひいた。 次のフォトンブラッド弾がその氷柱と化した翼をバラバラに吹き飛ばした。 「いやーーっっ!」 遥が大きな叫び声をあげる。
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