「バカなっ!この俺がやられるだと!?この俺は…!!」
うめく北崎の全身から青白い閃光があがりはじめた。 やがて炎が止み、閃光が北崎を包み込んだ。 光は大きくなり、次の瞬間爆発するように広がった。 「何…!?」 驚きの声をあげる山上の目に映ったその姿 −今までに見たことのない北崎の新しい姿…数倍巨大化した体に、巨大なドラゴンクロー型の腕 長く太く伸びた尻尾、そして中央にはまさしくドラゴンの頭があり、咆哮をあげている。 その頭の上に龍人態の北崎の上半身が生えている。 「俺は世界一強いんだ…!」 そう叫ぶと北崎はWファイズめがけてドラゴンクローを打ち込んだ。 とっさにジャンプで逃れたが、二人がもと立っていた場所は大きくえぐれ その土砂が辺り一面に散らばっている。 また北崎がドラゴンクローを打ち込む。 その度に土柱があがり、やがて北崎の周囲に深い溝ができあがった。 「逃げ足だけは速いんだね…。」 そう言うと龍人態の両手が青白く光り、Wファイズめがけてエネルギー波を撃ち込んだ。 巧、山上ともにそれをまともにくらい吹き飛ばされた。 地面に打ち付けられ、全身を激痛が走る。 山上はただの一撃でこれだけのダメージを受けるのかとあらためて力の差を痛感した。 「そろそろ終わりにしようか…」 そうつぶやくと北崎の両手がまた青白く光りだした。 その時、北崎の体のあちこちで無数の火花が散った。 両手の光りが消える。 「誰だ!」 その北崎の言葉に応えるかのようにWオートバジンが姿を見せ ドラゴンオルフェノクの周囲を飛び交いながらバスターホイールを浴びせる。 その間に巧、山上は立ち上がりその様子を見ていた。 やがて二人のもとにWオートバジンが降り立つ。 オートバジンはファイズ・巧にファイズブラスターを渡し オートバジンMK-Ⅱはファイズ2ND・山上にファイズアサルトマグナムを渡した。 山上はそれを受け取ると、オートバジンMK-Ⅱをビーグルモードに戻すとまたがり 背中にフライングアタッカーを装着した。 巧はフォンを引き抜くとファイズブラスターにセットして「555」を打ち込んだ。 「AWAKEING」 ファイズの全身を光が包み込み、ファイズブラスターフォームへと転身した。 そこへ北崎の横なぎの尻尾攻撃が入る。 Wオートバジンは吹き飛ばされたが、巧と山上は上空へと飛び上がっていた。 ファイズブラスターとアサルトマグナムの攻撃が北崎に放たれる。 その巨大な体のあちこちでいくつもの小さな爆発が起こる。 「おのれっ…!」 北崎は尻尾とドラゴンクロー、龍人態の両手からのエネルギー波でWファイズを攻撃するが そのどれもが空振りに終わる。 そしてその間にWファイズはフォトンブラッド弾を撃ち込みわずかながらもダメージを与え続けた。 いらだつ北崎は姿勢をいったん縮めると舞い上がった。 巨大な体で空を飛ぶことができる −北崎は山上を追い、両腕のドラゴンクローで捕まえ両側からその体を押しつぶそうと力を込めた。 「ぐわっ…!」 苦しむ山上を助けようと近づいた巧だが、尻尾と龍人態の攻撃に阻まれた。 「待ってろ、山上!」 そう叫ぶと巧はさらに上空へと上昇しファイズブラスターを フォトンブレイカーモードに切り替え、チャージした。 それを顔の前に構えると、今度は北崎めがけてきりもみ回転しながら降下する。 それを見て龍人態が巧にエネルギー波を連続で放ちはじめた。 それら全てをフォトンブレイカーで打ち消しながら降下し、すれ違いざまに龍人態に斬りつけた。 その衝撃で山上を放した北崎は地面に落下し、苦しみはじめた。 「山上、止めだ!」 そう言うと巧はフォトンブラスターにチャージした。 「ああっ!」 そう応えると山上もフライングアッタカーをブースターライフルモードに切り替え構えると エネルギーを溜める。 ほぼ同時に3発の強力なフォトンブラッド弾が北崎に向けて放たれた。 命中− 「ぐわァァァーーっ!」 北崎の全身は灰となり、いっきに崩れ落ちた。
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