その光景をその場にいた全ての者が目撃していた。
部下の命をも迷い無く奪う州浜にスマートブレイン側の残党も動揺の色を隠せずにいた。
「おい…お前、そいつはお前らの仲間やろ…何で殺した!」
新城が怒りにふるえながら、そう州浜に尋ねた。
「何だ?お前も倒そうと追いかけてきたんだろ?手間をはぶいてやったんだ
むしろ感謝されるべきだと思うが…?」
そう州浜は涼しげに答えた。
「何が感謝じゃ!俺はお前みたいな…仲間を仲間と思わんヤツが一番大っ嫌いなんや!」
「ふっ…」
州浜が鼻で笑う。
「何がおかしいんじゃ!」
そう叫ぶと新城が州浜に殴りかかった。
「よせ!新城!」
山上の制止も聞かず、ひたすら州浜に攻撃を続ける新城。
だが州浜はその全てを軽くかわすと新城の横腹にキックを打ち込んだ。
「ぐわっ!」
体勢をくずした新城の顔の前に州浜が掌を突き出した。
激しい炎が新城の体を吹き飛ばした。
地面に叩きつけられた新城の変身が解けた。
「ぐぅぅ…」
全身を激痛が襲い、もはや起き上がることもできない新城。
そこへ剣をたずさえた州浜が近づく。
「そんなに琢磨との勝負にケリをつけたいなら、あの世でつけることだ…。」
そう言うと州浜は剣を振り上げ、振り下ろした。
次の瞬間、激しい金属音が鳴り響いた。
州浜の剣を新城の顔の間近で受けた剣−フォトンブレイカーが州浜の剣を弾いた。
「大丈夫か、新城?」
「はい、すんません…巧さん…!」
新城が巧を見上げる。
ファイズ−巧は州浜の方を睨みながらブレイカーを構えた。
「ふふ…面白い…。」
そう言うと州浜も剣を右手に構え、左手を前に出すと逆手でかかってこいと手を振った。
新城が見上げながら
「巧さん…気よつけてください…」と言う。
「ああ…。」
巧はそう言うとゆっくりと州浜に向かって歩き出した。
そこへ福地、啓太郎、三原がかけつけ新城を抱えあげると、しばし巧の背中を見守り
やがて山上や真理たちのいるトレーラーのもとへと引き上げていった。
巧はある程度近づくと走り出し、間合いをつめると州浜に斬りつけた。
それを剣で受ける州浜。
しばし鍔迫り合いをしたのち、両者一歩後へと跳ぶ。
今度は州浜が間合いをつめ巧に斬りかかる。
それを巧がフォトンブレイカーで受ける。
しかしすぐに州浜は剣をひっこめそこから突きを繰り出した。
巧もそれをブレイカーでさばき、そのまま反撃に移ろうとしたがさらに間合いをつめた
州浜のパンチがそれをさえぎった。
体勢をくずされた巧−そこへ州浜の連続的な剣撃が追い討ちをかける。
それを全て受け倒れそうになった巧の胸元をつかむと、州浜はその体を自分の体にひきつけ
そのまま放り投げた。
そして空中へ放り投げた巧めがけて2発の大きな火の弾を撃ち込んだ。
「うわーっ!!」
巧の体が地面に落ち、変身が解けた。
巧はしばしうめき声をあげていたがやがてその動きが止まった。
フォトンブレイカーを握り締めていた手が力なくそれを放した。
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