居並び、睨みあう山上と州浜。 まず先制したのは山上だった。 州浜の顔めがけてパンチを放つ。 が、それを州浜の手が止め、今度は州浜がもう片方の手でパンチを放った。 しかしそれもまた山上の手が止めた。 互いに脚でキックを打ち込もうとするが、それも相打ちに終わり 互いに両手を掴んだままその場でぐるりと回ると、ようやく互いの手を離した。 山上はすぐさまフォンからミッションメモリーを抜くとファイズショットに 滑り込ませ、フォトンブラッドを充填する。 そして至近距離から州浜めがけてグランインパクトを打ち込んだ。 州浜はそれを間近でよけると手に現れた剣で後から山上に斬りつけた。 その攻撃で方膝をついた山上。 そこへ州浜が火炎弾を連続で撃ち込む。 山上はとっさに転がりながらそれをよけ、立ち上がるとフォンを引き抜き ブラスターモードに切り替え、州浜を狙いフォトンブラッド弾を連続で放った。 それを全身で受けながらも、州浜は山上めがけて走りより 剣による鋭い突きを山上の胸部にくわえた。 それを受け倒れる山上。 山上を見下ろしながら 「これが最後のチャンスだ、哲哉。俺に従うと誓え。血を分けた弟を殺したくはない。」 と州浜が言う。 「ふざけるな…」 そう言いながら山上は上体を起こす。 「何故だ?何故、兄に従わない?オルフェノクと人間の共存というくだらない理想のためか?
だいたい、お前が開発したギアやライオトルーパーがどれだけ多くのオルフェノクや人間の
命を奪ったと思っている!
所詮お前はオルフェノクでも人間でもない、中途半端な存在なのだ!
そのお前が理想など叶えられるわけないんだぞ!」 怒気のこもった声で州浜は言い捨てた。 しかし山上は立ち上がりながら 「ああ…だが、中途半端な存在だから…ベルトの持つ本当の意味がわかったんだ…。
中途半端な存在だから理想のために闘えるんだ!」 そう言うと、州浜めがけて走りパンチを打ち込む。それをまた手で受ける州浜。 「それに…」 また山上が残った腕でパンチを打ち込む。 しかしそれもまた州浜の手が止める。 「巧くんが教えてくれたんだ…!」 そう言いながら山上は州浜の腹に強力な膝蹴りを打ち込んだ。 「ぐっ!」 思わず前のめりになる州浜。 「強い信念さえあれば…」 その州浜の顎に山上のアッパーが入る。 州浜の体が宙を舞い地面に落ちる。 山上はフォンからミッションメモリーを抜くとファイズポインターに滑り込ませ 脚にセットし、素早くフォトンブラッドを充填した。 「不可能も可能にできると!…どんな壁でも乗り越えることができると!」 州浜の立ち上がりに重ね山上が飛ぶ −そしてクリムゾンスマッシュの紅い閃光が州浜の体を貫く。 断末魔とφの一文字を残し州浜の体が青い炎をあげ灰と化し崩れた。
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