特集２　大夕張は静かに眠る

今回、北海道に来るに当たって、時間が有ったら行きたいと思っていたのが大夕張地区でした。

なぜ、大夕張に行ってみたいと思ったか

もともと、近代工業遺産などに興味があって、九州長崎県高島町の端島、通称 軍艦島 に行ってみたいと思っていましたが、ふと北海道に目を転じれば、夕張も炭鉱の町だったことに気づきました。

そこで、上記のＨＰなどで調べてみて、今でも、町や鉄道を愛する人々が保存活動をしていることを知り、ますます行って見てみたいと思ったのです。

　

大夕張地区とは．．．

明治２１年、それまで「幻の炭田」といわれていた、夕張炭田を発見。

大正５年に三菱合資会社に買収されて以降、昭和に入り設備の近代化、大規模化が進み北海道でも有数の炭都として隆盛を極める。

専用鉄道も延長され、三菱大夕張鉄道として国鉄とも乗り入れ。主力は後年まで蒸気機関車。

その後、石油エネルギーへの転換政策などにより、出炭量が落ち込みついに昭和４８年閉山

三菱大夕張鉄道も昭和６２年廃止。

と、以上が簡単な紹介ですが、詳しくは以下のページを参照してください。

ふるさと大夕張

大夕張鉄道保存会

大夕張写真館（夕張市）

最終日に時間がうまく出来たので、行くことにしました。

南部地区入り口の高橋商店のお母さんが、当時の話やシューパロ湖の三弦橋のビューポイントを教えてくれます。

南部地区の旧大夕張駅構内には大夕張鉄道保存会により保存されていますが、状態はかなり悪いです。

最近、ペンキ塗りなどの活動をされています。

大変でしょうがぜひ頑張ってください。

除雪車「キ１」

　三菱マーク

切実な叫びです

南部の市街を抜けて行くと、シューパロ湖畔に出ます。

ここからは、旧森林鉄道の三弦橋が見渡せます。

近隣の山から切り出した木材を運搬するために作られた鉄橋です。

前述の高橋商店のお母さんに教えてもらった林道を登ると、三弦橋のすぐ上にでることが出来ます。

　

この形式の鉄橋はとても珍しく、現存するのは日本ではここだけだそうです。

しかし、将来計画されている新シューパロダム建設による水位上昇により水没する運命です。

残念ながら、現在は足場となる枕木が朽ち落ちていて、渡る事ができません。

シューパロ湖に沿ってもう少し上流には白金橋が架かっているのが見えます。

夕張岳へのルートらしいですが、この鉄橋も手を入れられていないようです。

　錆だらけ

さらに、国道を進むと黄色い歩道橋が場違いに建っています。

しかし、近づくとある事実に気づきます。

これは、もう誰も渡る必要の無くなった歩道橋なのです。

歩道橋を左に入る砂利道を入ると、突然、広場に出ます。

ここは、鹿島小学校の跡地です。広場の隅にはこんな碑が建っています。

	ふる里大夕張の碑 大夕張の場に身を置いて大夕張小唄を詠むと、本来無関係な私でもジンときます。
鹿島小学校の記念碑
	鹿島中学校の記念碑もありました

数年前まで残っていた校舎は取り壊されて、土の中に残るガレキのみが校舎の建っていた名残を示しています。

広場の隅には鹿の親子がいました。

歩道橋の反対側は、緑町の跡地です。

数件の建物がかろうじて残っているのみで、ほとんどは自然にかえりつつあります。

　

子供の居た痕跡を見つけると特に胸を打たれます。（自分もオジサンになった証拠でしょうか？）

　

乳母車を使った子供も今はいい大人になっている事でしょう。

栄町商店街の跡地

鹿島出身の飯田さんのHP 「ふるさと大夕張」 に３年前の 同じ場所の写真 が残っています。右手の建物は基礎しか残っていませんが、左手奥の商店がまだ残っていました。

鳥の鳴き声と花が咲き乱れる集落内の道をしばらく行ったり来たりしていたが、やはり部外者の自分が長時間ウロウロするのも場違いな気がして、大夕張を後にしました。

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