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        norikoとイラクサの慰問日記   閉じる

 

 師走ですな。師なんて、字をみつめていると、ぶりが食べたくなります。でも、今回は、かにの話し。なお、ハクションじゃない、フィクションがたくさん含まれているので、はじめから疑ってかかってください。

 若妻(笑い)まゆみから、メールが届きました。「休館中で食べるものがもうない。慰問に来てはくれまいか。」体力の限界が近いのか、その筆跡はかすれていました。(メールだろう?)これはいけないわということで、norikoは、イラクサ君に連絡を取り、都内某所の寿司屋で緊急ミーティングが開かれました。都内某所の寿司屋は、昆布じめとか、まぐろづけとか、これが江戸前だという感じで、norikoとイラクサ君は、風来坊救出計画をねりながら、寿司をほおばり、渡辺家の家族のために、声を殺して泣きました。

特急あおぞらの車窓から 羽田から20:05発のJALで旅だった2人は、南千歳から夜行の特急おおぞらに乗り継ぎ、釧路に着いたのは、早朝6時前。眠い目をこすりながら、任務遂行のために、和商市場へといそぎます。まずは、腹ごしらえということで、どんぶりめし200円也を買いこみ、いくらだの、うにだの、さんまの煮付けなどをのせて、豪華日本の朝ご飯をいただきました。あまりのうまさに任務を忘れそうになる2人に、norikoの携帯がなりだしました。若妻(笑い)まゆみから、矢の催促です。気がつけば、川湯ゆきのバスの時間まで、20分しかありません。 風来坊につくと、いっしょに遊ぶはずだったあけみちゃんが風邪でダウンだといいます。イラクサ君はひどく気落ちしたみたい。norikoが持ってきたマンデリンを飲む間も、遠い目をしている。 

とにかく、舎長の運転で、開陽台に向かうことにしたのだけれど、ジムニーはちょっと、きついわ。乗るときに足をぶつけてしまいました。飛び上がって、そのまま、片足でジムニーのまわりを2回まわってしまったくらい。もう1回まわって、わんというところだったわ。ぷんぷん。もう、とにかく出発!

標識の風車。すばらしい青空。 「わー、あれなんだ。」舎長が大声を出すから、なにかと思ったら、風車。道路標識を引っこ抜いてきて作ったやつ。イラクサ君は、目を輝かして、さっそく写真。でも、ここは、前に舎長に連れてきてもらったところ。舎長ったら、忘れちゃったのかしら。とし?後で聞いたら、営業努力なんだって。その方がおもしろいって。norikoは、おばかさんだからよくわからないわ。

 開陽台は、前からnorikoがいきたかったところ。今日は、舎長とイラクサ君にわがままいっちゃいました。いってなかったけど、今日は曇りなのよ。開陽台の駐車場で車を降りると、おもしろい雲が。ブッチャー雲。その右は青空と国後。たぶん、イラクサ君の写真が載るだろうから、みてね。車を降りて、そうね、3分くらいたったかしら。突然、アブドーラ・ザ・ブッチャーのテーマ、吹けよ風、呼べよ嵐が聞こえてきたの。聞こえるわけないって?ふん、聞こえたのよ。そしたら、突風が吹いて、直系5ミリくらいのあられがあたしたちを襲ったの。最初は、ふざけて、風に飛ばされていたのだけれど、冗談ではなくなり、風上のジムニーまで、背中むきに前進。だって、あられが飛んできて、顔が痛いのよ。顔が命だもの。やっとの思いで、ジムニーのドアを開けると、舎長が、開きかけたドアを閉めようとするの。また、norikoは泣きそうになったのだけれど、そうしないと、ドアが風で持ってかれちゃうんだって。風がますます強くなってきて、ジムニーが浮き上がるのがわかる。展望台は、雲にかくれてみえない。「舎長、いっていいわ。」あたしの開陽台が小さくなっていく。若妻(笑い)まゆみ、こんど来たときは、絶対、開陽台ツアーを組むわよ。いきなり吹雪。開陽台ではもっとすごかった。

 雪になっちゃったし、お昼にしようということで、中標津へ。舎長が、前から気になっているけれど、入れないという店へ。お食事処都奈野(舎長、字合ってる?)という看板だけで、けっこう、立派な店構えだけど、他になにも書いてないの。「つなのの、つながツナなら、まぐろでも食わせるのかな?」いろいろ、推測したけど、舎長がふんぎりがつかないというので、別海の街にゆくことにしました。だれか、食った人は、風来坊まで、メールをください。別海では、お寿司屋さんに入ったのだけれど、にぎりとラーメンのセットが売りみたい。norikoは、果敢にチャレンジしてみました。ラーメンは、スタンダードな中華そばっていう感じでなかなかいけます。寿司は、うまくないよ。けっきょく、いちばん、おしかったのは、「琥珀の時間(とき)」っていう生ビールだと、イラクサ君と意見が一致しました。うふ。

夕日に輝くジムニーturbo。走古丹にて。 「海がみたいの。」norikoがいうと、舎長は車を走らせてくれたわ。海が左にみえるのに、かまわずいくの。やがて、右側も海。ほんとうは風蓮湖なんだって。もう、白鳥さんが来てるわ。ここは、走古丹(はしりこたん)。幅は、そうね、100メーターもないわね。先端まで来ると、根室半島と春国岱がよくみえるわ。ジムニーも、ちょっと西に傾いた陽をあびて、ハンサムボーイよ。そう、もちろん、お・と・こ。 

風来坊に戻ると、親子3人、餓死寸前で待っていました。若妻(笑い)まゆみは、包丁を握って、遠い目をしています。和商で買ってきた食材をみせると、正気を取り戻しました。今日の夕飯は、かじか汁、めんめの一夜干し、宋八がれいの一夜干しです。浦幌に移住した高島さんもやってきました。イラクサ君は、みくちゃんやひろ君の写真を撮っています。イラクサ君って、ロリコン?norikoの小さな胸に疑惑の炎が灯りました。美空ちゃん。最初は照れてたけど。でも、大夢(ひろむ)君。いい名前だね。最近ぐっと成長したみたい。ひろ君は男の子だから、えー、そういう趣味もあるわけ?あー、もうわからない。思わず、現実逃避してしまうnorikoでした。 冗談はよしこさんにして(古いぞ)、かじか汁ができあがりました。みそ仕立てです。うっうっうっうまい。このだしはなに?かじかしか入れてないの?みそと酒だけだって。きもも、あんきもより百倍うまい。みると、若妻(笑い)まゆみは、涙を流しています。めんめも、うまい。どうだい、このあぶらののり具合は。みると、若妻(笑い)まゆみは、奇妙な踊りを始めました。あたかも、懸賞生活を送るなすびのようです。 おなかもいっぱいになり、若妻(笑い)まゆみも、踊りをやめたので、人生ゲーム1999をやりました。深夜2時、明日は、「もも道」をやろうと固く心に誓って、解散しました。

舎長、窓辺で。視線の先にあるのは蟹か。 翌日は、norikoが腕をふるう番です。まずは、釧路に買出しに。今日は芋煮を作ります。スーパーの出口で、norikoが今川焼きをほおばると、イラクサ君と高島さんも真似をしました。キティちゃんの綿菓子をみくちゃんのおもやげに大吉。足の先と耳は白くなってきている。すると、おおよろこび。でも、食べ物というより風船だと思っているみたい。あけみちゃんも来ています。まだ、ちょっと、せきをしている。女の子が弱っているのって、絵になるわ。あたしは百人乗ってもだいじょうぶだから、あこがれちゃう。あけみちゃんが連れてきたうさぎの大吉にえさをやったのに、極度の緊張状態におかれているのか、口にしません。あたしのレタスが食えないっていうのかい?っていったら、うなづいていました。ひぃー、くやしい。けもののくせに。芋の皮はみんなでむきます。あたしは、牛肉をいためて、しょうゆと酒をまぶし、いったん取り出した後に、芋を煮ます。たらば蟹。うまかったー。若妻(笑い)まゆみは、一心不乱にごぼうのささがきをしています。ちょっとこわい。あとは、あくをこまめに取るだけ。庭では、舎長が火を起こし始めました。かにです。和商の高級店で買ってきた、なんと、活きておがくずにまみれているたらば君なのです。こいつを、炭火にかけたあみの上に、だっちゅうのおきにして。norikoも、芋煮をほったらかして、みにゆきました。だって、イラクサ君がぜんぶ、食べてしまいそうなんだもん。かには、おまえはもう死んでいるほど(この世のものとは思えないほど)うまかった(苦しいギャグ)。特に端の方でよく焼けなくてレア状態になっている足は、忘れられません。牡蠣も山ほど焼いて、体が冷えたら、部屋の中で芋煮をすすります。ちょっと肉が少なく、だしが足りないので、合成だしのお世話になったのが心残りだけど、みんなよろこんでくれました。

その日の鶴。2〜3mまで寄ってきた。 腹ごなしに、鶴の家に温泉に入りにいきました。その前に、サンクで働くかおりちゃんを陣中見舞い。元気に丹頂の数を数えていました。伊藤さんにも会えてよかった。 夕飯は、芋煮の残り汁にカレー粉を入れて、カレーうどんです。これがうまい。うそだと思ったら、やってみてください。食後は、「ももたろう道中記」略して「もも道」。トップを走っていた若妻(笑い)まゆみがお家騒動にまきこまれ百万両の借金をつくると、イラクサ君はボンビーにつきまとわれ、norikoの独走でした。神さまはどこかでみているのですね。

 3日目、慰問道中も、今日で最後です。舎長が正月丹頂鶴を撮りに来る客のためにポイントの下見をするというので、乗せてもらいました。norikoは、こんどはひじをジムニーにたたきつけてしまいました。やっぱり、神さまなんて居ないかも知れない。神さまのことは深田恭子ちゃんにまかせておきましょう。コッタロ湿原は雪の中でした。ちょっと、さびしい。イラクサ君の表情も哀愁をおびているわ。冷えた体と心は、温泉であたためましょうということで、やってきました、その名も「るるらん」温泉。名前の由来は、地名だというので、いまいちね。昔、「ル・フ・ラ・ン」って、歌ってたのは誰でしたっけ。どうでもいいわね、そんなこと。でも、知っている人がいたら、旅人ノートまでメールちょうだい。るるらん温泉の露天風呂は気持ちよかったわ。でも、注書きで、女湯との境の囲いをこわしたり、のぞいたりした方は、入浴を中止させていただきますって、書いてあるのよ。みると、囲いにガムテープで修理したあとが。あら、やーね、もちろん、イラクサ君に聞いた話しなんだから。

 お昼は、舎長おすすめの標茶・美奈美食堂よ。norikoも、イラクサ君も、舎長から何回も聞いているのに、来るのははじめて。有名なみそラーメンのほかに、かつ丼もおいしいなんていうんだもん。両方、たのんじゃったわよ。ロース肉の塊から、肉を切り出し、たたくおじさん。手がとってもおおきいの。noriko感激。おいしかったわ。食後は、隣のきり屋でショッピング。靴屋が本業らしいけど、おもちゃから、キャンプ用品から、ペットまで売っているのよ。舎長は、プラレールの前から動かないわ。若妻(笑い)まゆみ、気をつけないと、いつか買うわよ。ぐーちょきパン屋さんで、イラクサ君がレモンケーキを求め、あわただしく風来坊で食べました。あっというまに、時間がたった。若妻(笑い)まゆみに、釧路空港まで送ってもらいました。感動的に別れようと思ったら、若妻(笑い)まゆみったら、おしっこしにいっちゃうんだもん。最後まで楽しく、北海道を後にしました。(noriko談)

 (撮影: E-laxa , カメラ Olympus C-2020Zoom , レタッチ InfranView 3.07 )              閉じる

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