このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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近畿日本鉄道モ2350形電動制御車

 近畿日本鉄道モ2350形電動制御車です。近鉄では、急行用として戦前のモ2200形、2227形を使用してきましたが、いずれも経年で老朽化してきたため、新製車を製造することになり、すでに製造されていた、大阪線一般用ク1560形、特急用モ2250形と同系列で、名古屋線急行用ク6561形を参考に、新型急行用車両を製造しました。車体形状は、19m車のク6561形を20m車化したような形状で、車体長20000mm、車体幅2700mmで、外観は他車と同様のノーシルノーヘッダーの張り上げ屋根のスマートな車体の、正面貫通路貫通幌付の2扉車で、車内は扉間にシートピッチ950mmの転換クロスシートが20組、車端側はロングシートとなっています。走行機器は近鉄としては初めての主電動機出力150kwの直角カルダン駆動で、抵抗制御、急勾配に対応するために電気制動を常用していますが、在来車との混結が可能となっています。製造後すぐに阪伊急行用としてデビューしましたが、直角カルダンの故障が多く稼働状況が不良で、結局在来車との混結は実際には実施されず、本形式のみで運用されました。その後、メーカー、近鉄共同で改良の結果、故障も減少し次第に急行用の主力として使用されるようになり、増備も行われ、2200形、2227形と完全に交代しました。1959年に名古屋線標準軌化後は、名古屋線にも進出、名古屋線急行用としても活躍しました。また一般用としては他社に先駆けて1960年にモ2250系と同様の集中式冷房装置を搭載し乗客サービスに努めました。長く活躍を続けたモ2350形も、その後登場した新性能車に比べ、陳腐化、老朽化は避けられず、次第に急行用から引退、一部は3扉化され、普通列車に使用されましたが、その後廃車されました。一部の車両は3扉化されること無く狭軌化の上養老線に転じ、同線の体質改善に貢献しましたが、ここでも新性能車に活躍の場を奪われ、廃車されました。図面上段は冷房化改造後の姿、下段は新製時の姿です。
 本形式の実車はありません。かつて名古屋線でク6561形を見て、大阪線にもこんな急行用車両があれば良いと思っていたことを思い出して図面化してみました。

近鉄モ2350形PDF図面 A4 1/120

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