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近畿日本鉄道モ6431形電動制御車
近畿日本鉄道モ6431形電動制御車です。1958年大阪線モ10000形第1次ビスタカー誕生と同時に製造された名古屋線接続用特急車でした。車体は名古屋線特急用としては始めての20m車で車体長20000mm、車体幅2700mmで、両端に乗客扉、戸袋の間にバランサ付き2連下降窓が7個並ぶ近代的なデザインで、車内はシートピッチ920mmの転換クロスシート、新造時から集中型冷房を装備していました。冷房の方式はモ6421系と同様に付随制御車に冷房機を搭載し、電動制御車にダクトで冷風を送る方式でした。走行機器についてはすでに南大阪線にはモ6800系新性能車が登場していましたが、名古屋線は狭軌で、標準軌への拡幅計画があったこともあり、新たに特急用の高速カルダン駆動を開発するのは不経済との観点から、足回りはシュリレーン台車ではありましたが釣掛式電動機が採用されました。伊勢湾台風被害復旧に伴い名古屋線は一気に標準機に改軌され、6431系も釣掛式のまま標準軌台車に変更のうえ、特急用としてしばらく使用jされましたが、11400系の増備に伴い格下げされ、普通車化改造されることになっていましたが、大阪線での急行座席指定車が好評のため、名古屋線でも連結されることになり、車内は特急時代のまま、大阪線から転籍してきた2200系、2250系に連結して急行用座席指定車として使用されました。2200系、2250系の老朽化引退に伴い、急行用としてモ2270系が新製されることとなり、6431系はそのままでは連結できないため高性能化改造を行うことになり、走行機器の主電動機を155kwに交換WN駆動化、制御機器、制動装置の変更を行い、台車もカルダン駆動用のKD−64に交換されました。車内は同時期に改造していたモ2260系と同様に、、連結器を電気連結器付き密着連結器に変更、乗降扉を特急車並の750mm折戸に改造、旧戸袋部は800mmのバランサ付き下降窓を取り付け、扉部仕切りの設置、側面2カ所に行先方向幕の設置、さらに前照灯の2灯シールドビーム化、冷房装置のユニットクーラー化に伴う天井の強化張り替え、シートの回転クロスシート化等の大がかりな工事を行っため、新造車に近い経費を要する結果となりました。機器はモ2260系と同一になったため、共通運用されることとなりましたが、形式はもとのままとされました。改造後は快速急行の座席指定車に充当されました。2260系と共通運用することに伴い大阪口へも乗り入れるようになりました。定期運用から引退後はしばらく団体専用車として使用され、再び2260系、6431系単独の編成にもどりましたが、老朽化により、18200系、18400系、15200系が団体専用車に改造されるに伴い、電装品を920形、1100形、1200形に譲り廃車となりました。図面上段および、中段上は改造後の姿、中段下および下段は登場時の姿です。
実車は登場時狭軌であった名古屋線の特急用として製造されましたが、名古屋線の標準軌化が予定されていたため、狭軌特急用新性能走行機器の開発は行わず、旧式の釣掛式で製造されました。台車のみシュリレーン式になっています。製造当初から格下げを念頭に設計されており、11400系の大量投入により、特急運用から引退、普通車に改造、中央部に両開き1300mm扉を設置しロングシート化され往年の特急車のイメージはなくなってしまいました。その後は名古屋線で使用されましたが、養老線の体質改善に伴い再び狭軌化の上、養老線に転じ、生涯を終えました。
近鉄モ6431形PDF図面 A4 1/120
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