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鉄道省モハ51000形3等電動制御車
鉄道省モハ51系のモハ51000形3等電動制御車です。当初は中央線急行用として製造され、歯車比もモハ32系と同様の1:2.26とした高速仕様でしたが、中央線投入時には同系の付随車が製造されなかったため、木造車と混成で使用されました。その後京都電化が完成した関西口にも投入され、クハ、クロハの付随車も同時に製造されたため、関西口では同一系列の均整の取れた編成となりました。車体は車体長19350mm、車体幅2805mmの半流型3扉車で、同時期のモハ40系とほぼ同じ形状ですが、戸袋部の窓幅が700mmとなっています。室内は最初に投入された中央線用はモハ40系と変わらず、扉間にシートピッチ1760mmの固定クロスシート4組、その他はロングシートでしたが、関西口は扉間は4組の転換クロスシートを含むシートピッチ900mmのクロスシート、車端部はシートピッチ1800mmの固定クロスシート、戸袋部のみロングシートとなっています。外観はモハ40系と同じく製造時期によってバラエティに富んでおり、雨樋、シルヘッダ付き車、張上屋根、シルヘッダ付き車、張上屋根、ノーシル・ノーヘッダ車、前照灯も製造時期により、取付式、砲弾形、埋込形が採用されています。製造後期には主電動機を出力128KWのMT30 に、歯車比を1:2.56とした出力向上車のモハ54形に移行、既存車両も、MT16をモハ50系に譲り、順次MT30に換装して、全車モハ54形となりました。戦争の激化に伴い首都圏、関西地区ともに、室内がロングシート化され、末期にはクロスシートを取り外しただけと言う車両も現れました。戦後、世の中が落ち着きを取り戻すと、更新改造時に順次クロスシートを復活、また首都圏のモハ54形は新製車の登場に伴い、全車関西地区に転籍、室内を関西地区と同様に整備し関西地区の増強に充当されました。駆動装置の試験として、MT40を直角カルダン用に改造したMT40Cを使用してモハ54形で実用試験を行い、ある程度の性能が確認されたので、更新修繕時に順次駆動方式の交換を行い、全車直角カルダン車に改造され、型式変更に伴いクモハ54形となりました。新性能車の増備に伴い、順次地方線区に転籍、地方ローカルとして終焉まで活躍しました。関西地区のモハ40系モハ60形から室内を改造してモハ54100形となった車両もあります。
実車は図面とほぼ同様のデザインで、室内は3扉セミクロスシート車で、扉間にシートピッチ1400mmの固定クロスシートを4組、その他はロングシートとなっています。本型式は最初に中央線に集中投入された後、京阪神地区に集中投入されました。中央線にはモハ51形のみが投入され、歯車比はモハ40系と同じく1:2.52でした。戦時中は首都圏、関西地区ともにロングシート化されましたが、戦後モハ51系はすべて関西地区に転籍、歯車比を1:2.26に変更の上、撤去されていたクロスシートを復活し、長く京阪神緩行に使用された後、地方線区に転籍、その後も長く活躍しました。図面上段は張上屋根、シルヘッダ付きの砲弾型前照灯のタイプ、下段は雨樋、シルヘッダ付きです。室内図の上部は関西口転換クロスシート、下部は当初投入された中央線用固定クロスシートを示しています。
鉄道省モハ51000形PDF図面 A4 1/120
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