このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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奈良電気鉄道クハボ600形3等付随制御車

奈良電気鉄道クハボ600形3等付随制御車です。皇紀2600年の桃山御陵、橿原神宮参拝客に対応するために同形式のデハボ1050形とともに製造されました。車体長18000mm、車体幅2700mmの中型車体で当時帝都電鉄や湘南電鉄、宮城電鉄でも採用された高さ1060mmの大窓の並ぶ2扉の軽快な車両で、台車は日車D−16でした。ベンチレータはもうけられず、妻面に押し込み形ベンチレータをそして妻面中央にも通風口が設けられていました。室内は戸袋部をのぞきシートピッチ900mmの転換クロスシートで正面は貫通路、貫通幌付きで、半室運転席で反対側は湘南1形と同様に座席が設けられ乗客には好評を博していました。片運転台車で、連結面は座席になっていました。制御車ながらパンタグラフが設置されています。同形のデハボ1050形と通常は2連で運用されていましたが、デハボ1050形が単行で運用されるときには車庫で眠っていることもありました。戦後もデハボ1000形とならぶ奈良電の主力として活躍し、京都〜奈良特急運転開始時には予備特急用として整備されました。実車は車体長18000mmでしたが、車体幅は大軌乗り入れの関係で2540mmに押さえられた細身の車両でした。竣工時の写真はあまり多くなく、私が知っているのは鉄道ピクトリアル727号に掲載されている1枚だけです。ほかに資料として、同じく鉄道ピクトリアル569号に改造の状況を示すスケッチがあるのみで、少ない資料からの図面作成となりました。登場時はデハボ1000形の付随車として運転されました。戦後輸送により荒廃し車両にゆがみを生じたので、幕板を下げ、腰板を下げて、側窓高は840mmのなり、鈍重な雰囲気になりました。登場時はロングシートでしたが、デハボ1200形の登場により同系の付随車として整備され、扉間に14組の転換クロスシートが整備されました。近鉄編入後は2両が予備特急用としてモ684およびク583となり、乗客の増加に伴い使用回数も増えました。しかし、旧デハボ1200,1350系の680系との室内格差は大きく、予備車となり使用されることがないまま廃車になりました。一般車のまま残った一両はク300形に編入された後、廃車になりました。
奈良電クハボ600形PDF図面 1/120

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