このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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大阪鉄道デニ501形電動制御車

 大阪鉄道デニ501形電動制御車です。大阪鉄道が吉野鉄道と接続して大阪〜吉野間の直通運転に備えて、1928年に製造された、デニ501形電動制御車で、日本初の20m級電動制御車で、車体形状は車体長19780mm、車体幅2700mm、車体デザインは深屋根で腰高のリベット構造、魚腹形台枠のあまりスマートとは言えない形状で、正面貫通路、貫通幌付きの2扉車で、車内は扉間にシートピッチ1800mmの固定クロスシートが12組、車端部はロングシートとなっており、車端部の一方の運転台の片側には単行運転も考慮して、便所が設置されています。走行部はWH系の当時の狭軌としては大型の127Kw主電動機を搭載、大型車体にふさわしい性能で、大阪阿部野橋〜吉野間を疾走しました。大阪鉄道はその後戦時大統合で関西急行に吸収され、その際モ6601形に型式変更され、その後、近畿日本鉄道に名称変更の後も、南大阪線の主力として長く活躍しました。同系列の合造車として、デホニ551形手荷物合造電動制御車、デホユ561形郵便合造電動制御車が製造されました。いずれも運転室直後に手荷物室又は郵便室が設けられましたが、形状はほとんど変わりません。図面上段はデホニ551形、下段はデニ501形の姿です。
 実車は、吉野直通に備え、日本初の20m級電動制御車として製造された、デニ501形です。デニのニは荷物車のニではなく、電動車のイから始まる4番目と言う意味で、デホニのホも五番目にあたります。車体形状は片側非貫通、片側貫通路、貫通幌付きの両運転台車で、貫通路は910mmの広幅で、深屋根と腰高の窓配置と相まって、古風で鈍重さが強調されています。車内は扉間の一部に固定クロスシートが設置され、長距離電車にふさわしいアコモデーションでしたが、多客化に伴い戦前のうちにロングシート化されました。大阪鉄道は戦時統合により関西急行と合併し、本形式はモ6601形、デホニ551形はモニ6651形、デホユ561形はモユ6661形時計式変更され、その後近畿日本鉄道となり、型式は継続されました。その後モ6601系は南大阪線の多客化に伴い両貫通化、さらに3扉化並びに片運転台化され、モニ6651形、モユ6661形も手荷物室、郵便室を撤去の上、モ6601形と同様に両貫通化、3扉化、片運転台化されました。いずれも、改造側の貫通路は原型より細身になって、正面は幾分スマートになっています。モ6601系は、その後モ6800系の登場により徐々に南大阪線から退き、支線運用のみとなり、新性能車の造美に伴い廃車されました。

大鉄デニ500形PDF図面 A4 1/120


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