このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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近畿日本鉄道ク6566形貴賓付随制御車

 近畿日本鉄道ク6566形貴賓付随制御車です。名古屋線用としてク6561形5両が製造されましたが、その間に、皇太子殿下が近鉄を利用して伊勢神宮を参拝する計画が宮内庁より打診され、名古屋線用の貴賓車両を急遽製造することとなり、また殿下に中川での乗り換えを回避していただくために1942年に資材供出のために廃線となっていた伊勢線の新松阪〜大神宮前間を復活し、名古屋から直通できるように準備したうえで、ク6561形に準じた車体のク6566が製造され、形式もク6566形となりました。車体は車体長19000mm、車体幅2700mmの片運転台車で、ク6561形と同様に張上屋根ノーシル、ノーヘッダの近鉄タイプですが、ク6561形が2扉ながら中央に寄せているのに対して、ク6566形は両端に寄せた構造になっています。室内は貴賓室区画はサ2600形とほぼ同じ広さで、中央に御座所、両サイドに随行員席のソファーが設置されています。御座室の側窓は防弾ガラスの1枚窓で、側板及び天井には防弾の鋼板が埋め込まれ得ていました。固定窓であることもあって、製造時に冷房が取り付けられ、その後2250系、6421系の冷房化の資料となりました。貴賓室外側両側に、シートピッチ1900mmの警備員席がそれぞれ2組づつ設置され、連結面側に便所洗面所が設置されています。製造当初から特急用モ6421形の基本設計が完成していたこともあり、格下げを念頭に製造されたため、サ2600形のような広幅窓は組み込まれず、すべて800mm幅の側窓に統一されています。運転時の編成はモ6401形を先頭にク6566形、そしてク6551形、最後部にモ6401形の4両編成で、名古屋〜大神宮前間に運転されました。その後ク6566形はほとんど貴賓車として使用されることなく、標準軌化後には程なく特急用に再整備され、車体更新後のモ6401形の付随制御車としてモ6403と組んで特急に充当されました。その際台車をシュリレーン形に換装しました。その後ビスタカー2世やその後続いた特急用新性能車によって特急から引退、一般車に格下げされ、主として急行用として使用されましたが、一般車に新性能車が投入されたことにより、再狭軌化の上養老線に転じ、さらに養老線にも新性能車が投入されたことにより、廃車となりました。図面上段は、特急用に格下げ後の姿、下段は貴賓車時代の姿です。
 実車ではこの車両は製造されておらず、存在していません。

近鉄ク6566形PDF図面 A4 1/120

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