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参宮急行電気鉄道ク3110形付随制御車
参宮急行電気鉄道ク3110形付随制御車です。参急デ2227系の付随制御車で、2227型では付随車は製造されず、全車両運転台の付随制御車として登場しました。車体長は19720mm、車体幅は2700mmと変わりませんが、外観は当時流行した張上屋根となり、溶接技術の発達によリベットが少なくなりスマートな車体になりました。室内は両端に乗降扉があり戸袋部はロングシートその他はシートピッチ910mmんの転換クロスシートはモ2227形と同様ですが、便所の設備はありません。本形式においては、名古屋線、大阪線の3線化、櫻井鉄道、大阪鉄道をつないで狭軌で名阪間を結ぶ計画があったため、狭軌大型電動機の搭載に備えて、軸距を2700mmと大型の台車を採用し、床も500mm高くしたため、張上屋根の軽快さに対して重厚な足回りとなりました。結果的には狭軌直通運転は実現せず、戦後標準軌で名阪直通運転が実現しました。本系列は付随制御車ク3110形、特別室付き電動制御車デト2310形、荷物室合造電動制御車デニ2320形、貴賓車としてサ2600形が製造されました。本形式は当初から将来の電動車化が計画され、台車は歯車を着けて登場しましたが、電動車化はされずに終わりました。戦前の製造ですが、戦後すぐに特急が復活した際には特急車として整備され、2250系が登場後も3両が特急用として、リベットの撤去、外板張り替え、全席転換クロスシート、冷房付きに再整備され、繁忙期に2250系に互して活躍しました。冷房機器は本形式に搭載され、床下に冷房機器、運転台の助手席側を正面窓を埋め込み、乗務員扉を窓に交換の上、車上冷房機器室とし、パイプ類もこの中を通っています。運転台は半室で残されましたが、入替用で通常は先頭に出ることはありません。ダクトを通してモ2227系に冷風が送られたのはモ2250系と同じです。10100系ビスタカー登場後、特急車も一般車に格下げ、名古屋線標準軌化後は一部が名古屋線に転じ、大型車として輸送力増強に貢献しました。2270系、2600系の相次ぐ登場により、老朽化した本系列は廃車となりました。図面上段は特急用特別整備車、中段上が特急用車内、下が一般形車内、下段が新造時の姿です。
実車はモ2200形として2227以降の車番で製造され、初期車は張り上げ屋根でしたが、正面に雨樋が取り付けられていました。後期車は雨樋は車体に埋め込まれスマートな形になりました。2200系で運転台直後にあった乗降扉は、側窓2個分中央に寄せられ、扉間は20組のシートピッチ910mmの転換クロスシートとなり、車端部にロングシートが設置されました。戦前戦後に近鉄の看板列車として活躍し、格下げ後は急行だけでなく、山田口のローカルや、標準軌改軌後の名古屋線でも活躍しましたが、2610系の登場により廃車になりました。
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