1.IC555を利用したパワーパック
今まで作成して来た「パルス波」を出力し、Duty比を変える事でモータ出力を可変するタイプのパワーパックと別にタイマーIC555から「三角波」を出力し、「コンパレータ(
LM393
利用)」で三角波の出力を切り出す(コンパレータの基準入力より大きな入力の場合、デジタル的に「1(12V)」を出力させる)事で、Duty比を可変するタイプのパワーパックを試しました。
本回路のアイデアは
KOG RC回路試作室
さん内の「RC関連」より
「ベンチテスト用モータスピコンの製作」
を参考にさせて頂きました。

回路の特徴は、IC555出力を通常3pinを利用し、方形波(パルス波)を得るのが一般的ですが、その前段階の三角波を6pinから得ている点です。その得た三角波とコンパレータの入力値を比較し、Duty比を変化させています。
まだ、テストとしてブレッドボード上ではありますが、Duty比を0%〜100%まで可変できます。また、KATOの「チビ凸用動力ユニット」では、秒速1ミリ以下の超低速走行も可能です。
…但し、逆に性能の良いモータでは、その性能が災いして、普通よりやや低速程度までしか落とせません。
また、ボリュームの可動範囲(約40%から電圧が出力され、約70%では最大出力となる)が狭い(IC555出力の”閾値(三角波のピーク約8V、ボトム約4V)”が狭い)ため、より効果的な「三角波」または「ノコギリ波」の出力できる回路を検討する必要があると思われます。
2.チョッパ制御のパワーパック(改)
前回のIC555利用のパワーパックにおいてより効果的な「三角波」や「ノコギリ波」が得られる回路を捜して、以前作成した
「チョッパ制御のパワーパック」
の回路を利用し、「ノコギリ波」の生じているポイントから「コンパレータ」への比較電圧を取り出す方法で下記の回路を考え、ブレッドボード上で試験を行ってみました。

ブレッドボード上の試作では、IC555利用の時よりも「多少」ボリュームの可動範囲が増えた感じはありますが、大きな効果があったとは感じられませんでした。
出力の閾値のピークおよびボトムとも大きく変わった数値は得られませんでした。
…単に回路を複雑にしただけかもしれませんね(笑)
3.IC555を利用したパワーパック(改)
上記の回路図を書きながら、ふと思いついた点があったので、急遽「IC555を利用したコンパレータタイプのPWMパワーパック」の回路図を修正してみました。
この回路図に至るまでは、「三角波」や「ノコギリ波」の出力電圧を如何に0〜12Vの範囲で出力させるかを考えていましたが、今回の修正点は、コンパレータの比較電圧範囲を10kΩ可変抵抗のVcc側とGND側双方に抵抗(今回は10kΩ)を追加する事で約4V〜8Vの範囲で変更できる様にした点(
抵抗分圧回路
を参照/「
Bun's HomePage
」より)です。変更点は、下図の5の部分です。

併せて、トルクを考慮して、IC555の周波数を約200Hzに落としてみました。
そのため、一番使い勝手で懸念していたボリュームの可動範囲等も使いやすいものとなっています。
また、最初の回路を「
PWMコントローラコンテスト
/鉄道模型のトレイントレイン内掲示板」にて公開した際に、
ゴーン辻
氏より頂いたアドバイスを参考にLM393の2pinよりGNDにコンデンサ(今回は0.47μFに設定…値が大きくなると放電時に時間を要するため)をバイパスする事で、
積分回路
を形成し、比較電圧の立ち上がりを送らせる事で、スタート時の電圧変化をゆっくりにし、かつ低速時の電圧を安定させるのに効果が得られる様に感じました。
まだ、ブレッドボード上の試作段階ですが、かなりの良い評価が出来るPWMパワーパックと言えると思います。
ただ、まだまだ利用価値の高い「オペアンプ」を利用して、より効果的なPWMパワーパックを作成すべく、研究してみたいと思います。
…奥が深いのが、気になりますが…(笑)


追記:
今回のPWMパワーパック作成中に、PWMタイプではないのですが、とてもシンプルかつ小型でありながら低速性能の良い
「オペアンプを利用したパワーパック」
を
復活Nゲージ
さんで発表されておりました。
実際、作成してみましたが、その出来に感服させられた次第です。興味を持たれた方がいましたら、是非、作成してその使いやすさを実感してもらいたいものですね。
追記2:
以前より私の回路図を参考にして、作成する際にMOS-FETの2SK703が無いので、代替品が無いかとの声を目にします。
私は
樫木総業
さんで手に入れてますが、どうも廃盤らしく今後の入手は難しい様です。
そこで、上記の
復活Nゲージ
さんが色々代替品を当たった結果をblog内の
出力MOSFET
で公表されていますが、価格と入手性から
2SK2232
(秋月電子にて1個100円)が良い様です。参考にされると良いでしょう。
また、トランジスタの2SD560も入手困難の様です。コレも、秋月電子さんの
2SD1828
辺りが、安価で入手もしやすい様です。但し、いずれも「電子工作」程度の範囲においての代替品ですので、厳密には判りませんので、そこは「自己責任」でお願いします。
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