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*プロローグ
KATOが2004年にリニューアルし、全くの新設計として再発売するまで、
長年にわたって生産を続けたのが、EF66です。
リニューアルされるまでは、最新ロットと言っても動力はカップギア駆動、スカートは首振りタイプで、
どんどん新しくなる他の車種に比較すると、古めかしさを感じてしまうようになっていました。
そんなEF66を眺めていた、リニューアル品が発売される1年ほど前のある日、
「このスカートを固定することはできないかな・・・」、そう思ってしまったのが運の尽き・・・・
その数日後の週末には、またもや無計画な改造を始めている自分がいたのです。
*1両目・・・オリジナルスカートの固定
まずは台車を外します。
取り外し方は、
初期EF65とラストEF70のスカート交換
に詳しく書きました。
でもEF66はボディが薄く、柔らかなので、ボディと下回りの分離の際に、爪楊枝は必要ないかもしれません。
(実際、私は必要ありませんでした)
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台車を取り外してみると、スカート・カプラー・スノープロウ部分がまとまったパーツが、
台車枠にはめ込んでありました。
関水オレンジEF70のグレードアップ
に書いたEF70と同様に、
首振りに支障が出ないよう、スカート上面はまっ平らになっています。
このまっ平らなスカートに固定用の脚を設け、車体とダイカストの間に挟みこめば、
得意の「スカート挟み込み固定」ができるのです。
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さて、スカート部分を取り外した後、カプラーを押えていた部分をカッターで切り離します。
この切り離したパーツは、後でカプラーが抜け落ちない加工に再利用できそうなので、保管しておきました。
スカートの固定方法は、オレンジEF70の応用を考えました。
つまり、平らなスカート上面に、「挟みこむ部分をプラ板で自作する」ことにしたのです。
EF66は、前面が尖っています。
片やダイカストは一直線・・・なので、前面裏側とダイカストの間には、三角形の隙間がありました。
「よっしゃ!スカートの上面に三角形のプラ片を貼れば、はめ込める!」
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前面とダイカストの間の三角形の隙間
こうなれば一気に勢いづきます。
1.2mmプラ板から適当な大きさのブロックを切り出し、
三角形にヤスリ成形して、スカートの上面に貼り付けまました。
貼りつけた後、三角形の隙間にきちんとはまるよう、また、スカートの位置が不自然にならないよう、
さらにヤスリで成形し、微調整してゆきました。
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ぴったりと収まるようになったら、カプラーを取り付けます。
これもEF70のときと同様、KATOカプラーAタイプの根元に0.6mmの穴を上下に貫通させ、
そこに通した真鍮線を先ほどのプラ片に貫通させる・・・・という固定方法にしています。
EF70のときはカプラーが脱落しないよう、スカート下面に他から持ってきたスノープロウを貼りました。
しかしEF66の場合は、元の台車から切り出した先ほどのパーツが、ここで再利用できたのです。
単に「ぱちん」とはめ込むだけで、カプラー押えとなったのです!
さぁ・・・これで見事!スカートの固定化が完了しました!
左右に首を振らせる構造であったために、スカートの上下寸法は若干スケールよりも短いのですが、
そんなことを感じさせないほど、実感的な面構えになりました!
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すっかりお気に入りの1両となったこのEF66には、
その後EF65PF前期型用の前面手すりASSYパーツも付けてみました。
その効果も抜群です。
ただ・・・・このスカート固定方法には、ひとつだけ難点がありました。
それは、オリジナルのスカートに「はめ込み部分を作る」という加工、
面倒で時間がかかるということです。
試行錯誤しながら仕上げたので・・・徹夜作業を余儀なくされているのですから。。。。
なので、2両目以降、同じ加工をしようという気には、どうしてもなれなかったのです。
②.2両目・・・天の救い!のASSYパーツ利用
そうこうしているうちに、KATOがEF66のリニューアルの発売予定を発表してしまいます。
そこには・・・固定されたスカートと、正面手すりが付いていました。
さらには開放てこまで!
苦労して固定化などしなくとも、元からそうなっている製品が出てしまうのです。
早速リニューアル品を手に入れた私は、
スカートを固定化していない旧製品がまだ手元に1両残っているというのに、
いつの間にかそんなことはどうでもよくなっていました。
しかしある日突然・・・「リニューアル品のASSYパーツが、旧製品に使用できるのでは!?」
急にひらめいたのです!
そう思ったらもう、居ても立ってもいられません!
早速KATOのホビーセンターに赴き、ASSYパーツを買い求めました。
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ASSYパーツとして売られている、EF66後期型カプラーセット。
不要な部分をザクザクと切り取り、前記した三角形の隙間にあてがってみると・・・
全く支障なく入るものの、むしろ緩すぎて固定できないことが判明しました。
そこで、まずは左右の固定用脚にプラ片を接着、きっちりとはまるようにヤスリ成形してみました。
しかし・・・今度はスカートの位置が前過ぎます。
そこでさらに、前方の固定用脚にもプラ片を接着し、位置が後ろに下がるようにしてみました。
これでスカートの位置はバッチリ、左右のガタもありません。
しかし今度は、スカートが根元まできっちりと収まらないのです。。。
よくよく見ると・・・・左右に設けた固定用脚を、ダイカストのバリが邪魔しているのを発見!
ダイカストのバリを丁寧にヤスリで落としたところ、スカートが根元まできっちりと入ったのです!
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左写真:左が加工前のASSYパーツ、右が加工後
右写真:加工後のASSYパーツを前から見たところ。
スカートが根元まで入ったところで、リニューアル品用の開放てこ(これもASSYパーツ)を装着してみます。
開放てこは前面のステップ部分の上に来るため、
スカートさえ根元までしっかりと入っていれば、きちんと取付できることがわかったのです!
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ここまで来たらもう、有頂天です。
前面手すりもASSYパーツ化されているので、手すりの装着も考えましたが、
リニューアルスカートと開放てこの効果があまりにも凄かったので、
今回はここまでにしておきました。
*エピローグ
もともとEF66というロコには、特別思い入れがあったわけではありません。
しかし、いつの間にか・・・手元にはKATO、TOMIX合わせて数両が存在します。
なぜだか大好きになっていました。
実車は次第に更新改造されたり廃車されたりしていますが、模型の世界では話は別。
リニューアル品が出たからと言って、旧製品を手放したりせず、
他社パーツも含めて利用できるパーツは最大限利用し、
古い製品を蘇らせ、いつまでも活躍させていきたい、そう思います。
そんなわけで、TOMIX機にも、KATOのリニューアルスカート取付改造をしてみようと思っています。
(
TOMIX機のスカート加工
へ)
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左から順に、オリジナルスカートを固定化した、1両目の旧製品(手すり付き)、
リニューアル品(EF66後期型)、
そしてリニューアル品ASSYスカートと開放てこを装着した、2両目の旧製品