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KATOカプラーのついたTOMIX機たち
我が鉄道では、KATOカプラーを標準にしています。
TNカプラーの方が見た目も機能も上だと思うのですが、
なにぶん高価なことと、KATO製品への装着が面倒なことから、
TNカプラーを装着するのは、基本的にTOMIX製の固定編成車両に限定することにしました。
ところが、いろいろな車両を牽引する機関車の場合、事は単純に片付きません。
両数の多い貨車などは、全車へのKATOカプラー装着が済んでいないのですから。。。。
そこでまず、KATO製機関車の場合、片エンドをアーノルトカプラー、もう片エンドをKATOカプラーにして、
どちらのカプラーの装着車であっても牽引できるようにしています。
KATOカプラーに対応していないKATO旧製品であっても、
アーノルトカプラーのカプラーポケットを利用するタイプが使えるので、簡単に装着できるのです。
では・・・TOMIX製機関車はどうでしょう。
台車マウントの「Mカプラー」を装着した旧製品の場合は、カプラーポケットの構造が特殊なので、
KATOカプラーを装着させるには、ちょっとした「工作」が必要になります。
しかし!最近の製品は、TNカプラーに対応した、スカートマウント構造です。
実はこのタイプは、KATOカプラー(それも機関車用KATOカプラーアダプター)を、
簡単な加工で装着させることを発見しました!
1.自連型標準カプラー
それでは以下、EF81 300ローズを例に、その装着方法を紹介しましょう。
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おなじみの製品オリジナル状態はこんな感じです。
使われているアーノルトカプラーは、世界標準の形とはちょっと違う、TOMIXのオリジナルで、
その結果・・・通常よりも余計に大ぶりに感じます。
TNカプラー化すれば、一気に実感的になるんですが・・・
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まずはボディと下回りを分解します。
最近のTOMIX機は、ボディをちょっと膨らませるだけで、簡単に取り外すことができます。
さらに、カプラーと一体となっているスカートも、簡単に外せます。
・・・・ここまでは、ほんの1分です.。
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カプラーと一体のスカートを裏から見ればわかりますが、
カプラーの根元には、開放用のマグネットが付いています。
アーノルトカプラーは連結・開放時に上下動するため、カプラー自体が上下左右に動くようになっています。。
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スカートから、アーノルトカプラー本体、復元用樹脂バネ、カプラー固定用部品を取り外します。
このとき、カプラー復元用の樹脂バネ(写真の左上の黒い部品)を紛失しないように注意しましょう。
取り外したアーノルトカプラーは、使用しません。
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左写真が、製品に付属している交換用のTNカプラーです。
このパーツは、根元の部分を上下に強く引っ張ると、3つのパーツに分解できます。
慣れれば簡単です。
再利用するのは、カプラー本体が挟まっていた上下のパーツ(ケース)のみです。
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灰色の方が未加工、黒い方が加工済み
KATO製機関車に付属しているKATOカプラーアダプター(ASSYパーツとしても入手可)は、
根元の部分で棒状のパーツを挟み、固定されるため、この部分が太くなっています。
そのままではTNカプラーのケースと干渉するので、カッターを使い、現物合わせで削っていきます。
尚、KATOカプラーアダプターの「短軸タイプ」は避けた方がよさそうです。
EF81の場合、短軸タイプでは連結部分がスカートと干渉してしまい、首振りに支障が出ました。
短すぎたようです。
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KATOカプラーアダプターの加工が済んだら、先ほどのTNカプラーのケースに挟みます。
ケースはかなりきつい構造なので、ヤットコなどを使って、根元まで完全にはまるようにします。
さもないと・・・このパーツがスカートと干渉して、復元バネが作用しなくなってしまいます。
尚、KATOカプラーアダプターの根元を削り過ぎたときは、
TNカプラーのケースに入れてもグラグラして固定せず、復元バネが意味をなさなくなります。
こんなときは、瞬間接着剤を流しておきましょう。
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組み立てたカプラーをスカート本体に装着します。
分解したときと逆の手順ですが・・・特に難しい事はありませんので、説明は不要でしょう。
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スカートを元に戻し、下回りにボディを戻せば・・・あっという間に完成です。
これで「KATOカプラーアダプターを装着したKATO製品」のような見栄えと、
KATOカプラーを装備した客貨車を牽引できる機能性を得ることができました。
しかも、ここまでに要する時間は、慣れれば10分もかからない、お手軽工作なのです。
この加工を施したTOMIX製機関車は、
EF81の3両(JR東日本色、300番台、300番台ローズ)、EF63の2両(青、茶)、
EF210の2両(0番台、100番台シングルアームパンタ車)、EH500の2両(1次型、2次型)です。
EF210とEH500は下回りがグレーなので、KATOカプラーアダプターも、グレーのものを用いました。
またEF63の場合は、せっかく実感的に再現された双頭カプラーが使えなくなってしまうのが残念ですが、
他の車両との連結を考えれば・・・仕方ないと割り切って使っていました。
ところが!KATOの双頭カプラーが発売されたのです!
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左写真:EF210への装着の様子(手前から0番台、100番台)
右写真:EH500への装着の様子
2.EF63双頭カプラー
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左がKATO製に交換したもの
続いては、EF63独特の自連・密連共用の双頭カプラーです。
TOMIX製EF63には、TNカプラーの自連型、密連型双方に連結できる、双頭カプラーがついています。
実物の雰囲気を出してくれる優れモノではありますが、
これでは連結相手が限られてしまうため、上の作例にもあるように、
私はKATOカプラーアダプター(自連型)で妥協をしていました。
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左写真:TOMIXオリジナルの双頭カプラー。かなりごつくてでかいけど、機能的にはすぐれものですね。
右写真:1項に従ってKATOカプラーアダプター化したもの。これじゃ、EF63じゃないですよね。。。
しかしその後、KATOからも発売されたEF63。
そこにはナックルカプラー(自連型)とKATOカプラー(密連型)の双頭カプラーがついていました!
そこで、このASSYパーツを購入し、TOMIXのEF63に装着することにしたのです。
こうすれば、KATOカプラー装着の電機とも、電車とも連結できるようになりますから。
ちなみに・・・KATO製のEF63の購入予定はありません。
個人的には、TOMIX製の方が実物に似ていると思っているので。
なので、あくまでもTOMIX機の活用を考えます。
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左がASSYパーツ。右はその加工品。根元をカッターでカットします。
工作はきわめて簡単です。
1項の加工と同様に、ASSYパーツの根元部分をカッターでカットし、
TNカプラーのケースに入るようにするだけですからね。
注意するところは、カットしすぎないことです。
適度な大きさにできれば、きゅっという感じで入り、固定してくれます。
但し、EF63はもともとTNカプラー装着済みの製品のため、カプラーのオプションは付属していません。
しかもTN双頭カプラーの根元の構造は、通常のTNカプラーとは異なっているため、
それを使うことはできないのです。
そこで仕方なく他のロコ・・・片側をアーノルトのまま、もう片側をKATOカプラーアダプター化したもの・・・
から、余ったオプションのTNカプラーを拝借して使用しました。
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1項と同じ工作で、TNカプラーのケースに装着
加工の終わったパーツを装着すれば、はい、出来上がり。
ご覧のとおり、装着したEF63の前面には、何の違和感もありません。
・・・というか、TNカプラーは、元々かなり大きく、ごつくできているため、
それに比べると小さいKATO製は、スッキリしていて実にいい感じなのです。
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左写真:KATOの双頭カプラーは、TNよりも小振りです
右写真:左がKATO製ASSY、右がTNカプラー。大きさも、出具合もこんなに違うのです。
単機での見た目以上に効果があったのは、重連状態の車間でした。
常に重連で使用されるEF63は、2両の車間が気になるもの。
しかし・・・オリジナルのTNカプラーでは有に1cmくらい車間が開いてしまい、興ざめです。
それに比べればKATOカプラーアダプターとKATO製双頭カプラーの相互連結にすると、
(まだ広いとは言え)明らかに車間が狭くなったのです。
これは、TOMIXのEF63全車に適用したくなること、うけあいです。
TNカプラーを装着したTOMIX車との連結の必要がある場合は、
片側をTNのまま残しておけばよいですしね。
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左写真:TNカプラー(製品オリジナル)での連結
右写真:KATOカプラーアダプターとKATOの双頭式カプラー(ASSY)での連結