1.マイクロエース製小田急2400型
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車間が詰まっていい感じの編成に!
*固定編成の連結器は
全世界の共通規格となっているアーノルトカプラー。
その大きさ、形態とともに弱点と言われているのが、連結面間隔の広さです。
特に、台車が車端寄りに付いている車両では、カプラーポケット位置の関係から、
ここがより広くなってしまいがち・・・せっかく素晴らしいディテールの製品でも、興ざめというものです。
今回、最初に改造の素材に選んだマイクロエース製小田急2400型もそんな電車のひとつ。
連結面が狭くなる効果を期待してKATOカプラー化しても、全く狭くなりませんでした。。。
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KATOカプラー化しても、連結面が広すぎる〜ぅ
そもそも、アーノルトカプラーの利点は、自動連結・自動開放機能にあります。
しかし、固定編成の電車では、そのどちらの機能も必要ありません。
一旦編成を組んでしまえば、片付けるまではそのままなのですから。。。
なので、自動開放ができない高価なTNカプラーなどを中間に使うのは、まさにもったいない話です
そこで、製品のアーノルトカプラーを加工し、
固定編成用のドローバーを作ってみることにしました。
*カプラーとカプラーポケットを加工
自動連結も不要と割り切ってしまえば、加工はきわめて簡単です。
アーノルトカプラーのナックル部分(鍵型になっている部分)を、
連結相手側のカプラーポケットに入れてしまえばよいのです。
こうすれば、アーノルトカプラー1個弱ぶんの長さを短くすることができるはずです。
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アーノルトカプラーを活かす側は、そのまま何の加工もしなくてもよいと思います。
しかし、作例では念のため、開放用のピン(下側の突起)と、
ナックル同士を引っかかるための鍵型になっている部分を切り取りました。
カプラーポケットを活かす側は、カプラーも復元バネも不要です。
線路側から、相手のナックルが入るよう、バネの下側の突起を切り取ってしまいます。
改造は以上です。
4両編成なら、10分程度でできるでしょう。
過去にもTMSなどでアーノルトカプラーを加工したドローバーは紹介されていますが、
そのどれよりも簡単な工作ではないかと思います。
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*連結方法
アーノルトカプラーの残っている側の車両を先に線路に置き、
カプラーポケットだけになっている車両をナックルの上から被せるようにすれば、
ナックル部分が、カプラーポケットに収まって、両者が連結できます。
とても簡単です。
各車両で、アーノルトカプラーを残す側とポケットだけにする側を同じ方向で揃えておけば、
連結方向が常に一定となり、編成を組む際に車両の向きを悩まずに済む、というメリットもあります。
*終わりに
TNカプラーは、機能よりもむしろ、周辺のジャンパー栓や胴受も含めた形態の良さを活かすべきです。
なので、連結することのない固定編成の前面こそ、むしろTN化しておき、
数の多い中間部は逆に・・・このような簡単ドローバーで充分なのではないでしょうか。
これなら、TNカプラー化するときの最大の障壁・・・価格の高さも気にしなくて済む、というものです。
また、この改造では、KATOカプラーのような実感的な車両間のホースはありませんが、
それよりも車両間隔の方が数十倍気になるというものです。
2.KATO製旧103系
*そこまで広くない車両でも・・・
上に紹介したマイクロエース製小田急2400型は、極端に車間が広い製品でした。
しかし、他の製品はそこまで広くないので、同じような改造を施すと車間が狭くなりすぎてしまいます。
そこで、そこまで広くない車両に対する改造も考えてみることにしました。
ここでタネ車に選んだのは、KATO製の旧103系です。
*改造方法
しばらく車両とにらめっこしていた私は、ふとあることに気づきました。
通常の車間はカプラーがバネで伸びきった状態であり、
バネをぐっと縮めると、なかなかによい間隔になるのです。
ならば・・・バネが縮んだ位置でカプラーを固定してしまえばよいのでは?
そう思いつき、改造してみました。
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製品のままの状態
*改造方法はとても簡単
上にも書いたとおり、この手の電車は固定編成なので、自動連結、自動開放は不要です。
なので、カプラー自体はバネが縮んだ位置で固定してしまいましょう。
邪魔なバネは取り除き、カプラー本体を最も奥まった位置まで押し込みます。
そしてevergreen scale modelsのStripStyreneを横から差込み、
瞬間接着剤を軽く流して、元に戻らないように固定したあと、余分をニッパーで切り取ります。
改造方法はこれだけで・・・カプラー自体は全く改造しません。
なので、1つあたりほんの2,3分で済んでしまいます。
StripStyreneは、当初0.56mm×0.56mmを2本入れてみましたが・・・
これはちょっときついようで、カプラーが押されて斜めになってしまいがちでした。
なので途中から0.75mm×1.0mm1本に変えてみたところ、これで充分なようです。
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左写真:0.56mm×0.56mmを2本入れると・・・かなりきついです
右写真:0.75mm×1.0mmだと少し緩め
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動力台車も同じ
動力台車も全く同じ方法です。
今回改造した103系は、旧製品ながら新動力が搭載されたロットなので、
動力台車も摘めば簡単に外せるので、簡単にできました
しかし・・・旧動力の場合は、屋根を外し、下回りを外し、ネジを緩めないと台車が外せない構造なので、
慣れないとちょっと厄介かもしれませんね。
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効果は歴然!
*終わりに
このように、より簡単な方法で、連結面間を狭くすることができました。
普通の車両であれば、この方法が適切なのではないかと思います。
KATOカプラーは連結面を狭くする効果はさほどないし、TNカプラーは高価なので、
今後もアーノルトカプラーを活用する方法を、いろいろと考えてみたいと思っています。
3.マイクロエース製秩父鉄道ヲキ100、ヲキフ100
秩父鉄道オリジナルの石灰石輸送貨車を、好ましく模型化してくれたのはよいのですが・・・
台車のオーバーハングが短いせいで、カプラーポケットが車体からはみ出してしまい、
連結面が凄いことになっています。
車体長は45mmにも満たないのに、連結面間は実測で18mm!
実車の車間はおそらく500mmくらいですから、実にスケールの5倍以上なのです!
これでは、「短い貨車がたくさん連なっている様子」を味わうことはできません。
そこでまず、
本項1
のとおり、「カプラーを連結相手のカプラーポケットに入れる」、
ドローバー化改造をしてみました。
すると連結面間は、11mmにまで短縮できました。
これでかなり改善できたものの、車体が短いため、まだ広く感じてしまったのです。
そこで、
本項2
の「カプラー位置を引っ込める」改造も併せて行いました。
カプラー位置を引っ込めるため、0.7mm×1.0mmのプラ角棒
(ちょうどいい角棒がなかったので、タミヤの1.0mm角棒を削りました)を差し込み、
瞬間接着剤で固定後、墨入れペンで目立たなくしています。
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カプラーポケットを加工した側、これをアーノルトカプラーの上から被せます
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アーノルトカプラー位置を目一杯引っ込めて固定した側。引っ込めるためのプラ角棒が見えます
この2つの加工を併用することにより、連結面間を測定してみると・・・
何と9.5mmにまで短縮することができました。
製品オリジナル状態の約半分ですが、R315は何の問題もなく通過します。
ヲキ/ヲキフセットを購入された方は、簡単なので是非、この加工をすることをお勧めします。
これでもまだ、実車の倍以上開いているんですけどね。。。
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このくらいの車間なら、許せます。製品オリジナル状態では、この倍くらい開いてたんですから。。。