このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

コロ記

今日のコロ

動物霊園自宅
2000年12月10日(日)

12月14日の四十九日を前に
コロの納骨を無事に終えた
今は少し
落ち着いたような
気持ちでいられる


〜今日のできごと〜

 毎朝、コロの祭壇のお水を交換する。昨日までの水を植木に与え、新しい水を入れる。父への水は水道水なのだが、コロの水は亡くなる直前まで飲んでいたミネラルウォーターにしている。ただ、今日は父と同じ水道の水にした。コロがミネラルウォーターを飲んだ期間はほんの少しで、そのほとんどを水道水で過ごしてきた。なので遺骨最後の日、家での味を忘れないように。

 いつものように「おはよう」の挨拶をした後、少しコロとお話しをする。それから、いつもは午後に供える牛乳を今日は朝から供え、これも毎晩唱えているお経「般若心経」と「回向」を唱えた。

 午前11時、突然小雨が降り出した東京。「コロ、今日は兄ちゃん泣かないから、コロも今日は泣かないでね。出掛ける時には雨降らさないでよ」そんな時に、久しぶりにチッコちゃんがやって来た。「コロ、お別れの挨拶に来てくれたよ」と玄関先でチッコちゃんにごはんを与える。チッコちゃんは残さずに食べてくれた。

 午後1時、お寺までは車で20分くらいで着くのだが、突然の渋滞と納骨棚の掃除を考え、早く出る事にする。ロウソクに火をつけ、お線香を供えた。火が消えたのを確認し、遺骨を風呂敷きに包む。それまで遺骨があった場所にはコロの写真を供える。外を見ると雨はやんでいた。

 道が空いていて、思ったよりはやく到着。先日お願いしていた位牌が納骨棚に収まっている。タオルで水拭きし掃除を終え、御本尊の前にコロの遺骨と位牌、写真やお花、大好きだった猫缶とメロンをお供えする。

 午後1時半、僧侶による読経。はやく着いた私達の事を気遣っていただき、予定よりはやく法要をはじめていただけた。「正信偈」「浄土和讃(讃阿弥陀仏偈和讃のはじめの六首)」「回向(日中法要・帰三宝偈より)」を唱えていただき、お焼香をする。父のお寺は曹洞宗なのだが、コロのお寺は浄土真宗大谷派。私が自宅で唱えるのは曹洞宗のお経なので、コロも少し戸惑うかな?などと思ったが、もともと仏教は宗派に関係なく仏さまの教えを説いているのだから大丈夫であろう。そして南無阿弥陀仏と、人も動物も分け隔てなく導いてくれる阿弥陀如来さまに、コロの事をお願いした。

 読経が終わり、僧侶からいろいろなお話しをしていただけた。話を聞いているうちに、心が落ちついてきた。御本尊の前から、コロの棚に遺骨や位牌を移す。お線香を供えて静かに手をあわせた。霊園の方々といろいろなお話しをしながらコロの前で過ごしていると、時計の針は午後3時を過ぎていた。別れのつらさよりも、動物霊園の雰囲気が、時間が過ぎていくのを忘れさせるのだと思う。「コロ帰るからね、ゆっくりねんねしてね」そう言い残し、動物霊園をあとにする。

 家に帰り、コロの表彰状をコロの祭壇横の壁にかける。そしてコロの祭壇をきれいにし、あらためてお線香を供え、お経を唱えた。遺骨が写真に変わったが、全てを終えて考えて見るとなんだか気持ちが落ち着いていた。コロも安心して眠る事ができるであろう。遺骨が家になくとも、コロの魂は元気に過ごしているのだから。

 夜、いつもよりゆっくりとお風呂で温まる。すると目の前に、コロの毛が1本ゆらゆらと浮かんでいた。


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