このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
バンガローでの朝。 昨夜は入れなかった温泉に浸かり、雨でグショグショに汚れた服たちを洗濯する。 Tシャツは三枚持ってきたのに、二日連続で洗濯をしている。 今日こそは晴れて欲しいものだ。 見上げた空は曇り模様。 どこかの自転車屋かホームセンターでブレーキシューを購入しなくてはならない。 ブレーキのほとんど利かない自転車で小高い丘を下ってゆく。 十勝川を渡る。 コーヒー牛乳色の水面には流木がたくさん浮いており、昨日の雨の凄まじさがよく分かった。 実際に約1ヶ月ぶりに十勝に降り注いだ雨は、ニュースになるほどの降水量を誇ったという。 幸いなことに、現在降水はない。 濡れないうちに、出来るだけ東へ進みたいものだ。 豊頃町の名所、ハルニレの木に立ち寄る。 実はこの木、某電化製品会社のCMに登場した木である。 ほら、「♪この木何の木」の…、左の木ね。 木までの距離が意外と遠かったので、土手から俯瞰するに留めた。 雨は降っていないので、煩わしいゴミ袋は出番無し。 合羽もフレームに結びつけた。 不安材料、ブレーキシューであるが、豊頃町唯一の自転車屋は十勝川の向こうにあるという。 元来た道を戻るのも癪なので、先に進むことにした。 なに、音別、白糠まで行けばあるに違いない。 豊頃からは太平洋に向かって南下し、浦幌町に入る。 12時39分、浦幌町内の霧止峠の頂上に到着。 浦幌町内の国道38号線には、狭小トンネルが多くあり、また交通量が多いので、道道を通ることにしたのである。 浦幌の内陸と海岸部を結ぶ、標高80mの小さな峠。 交通量が少ない上、勾配も緩く、スイスイと登れた。 霧止峠は道内に数多く幾つか存在しているダート峠の一つ。 そして多くのダート峠の舗装化が進んでいるように、霧止峠の未舗装部分は海岸側の一部を残すのみである。 現在は工事が凍結しているようだが。 ゴムの部分が磨り減り、鉄が露出したブレーキシューをキィキィ言わせながらゆっくりと下っていった。 13時1分ちょっと寄り道して昆布刈石展望台へ。 浦幌町道なのだが、昭和の雰囲気を残す未舗装道として、全国の道路好きから注目されている道路の途中にある。 本来なら目の前には雄大な太平洋が広がっているのだが、生憎の霧。 何も展望できない。 乳白色に包まれた坂道をしょんぼりと下っていった。 これまた道路好きにはたまらない狭小隧道、厚内隧道である。 道路が無駄に整備されている北海道では絶滅寸前となっている、現役の1車線隧道だ。 自動車同士は勿論、自動車と自転車の離合も出来ないだろう。 我々が通過したときは、車など皆無で、隧道内は冷たい風が吹きぬけるだけであった。 トンネルを抜けるとそこは・・・やはり霧。 まあ、雨が降っていないだけまだマシだが、この辺りは景色が良いだけに残念である。 すぐ隣に太平洋の波が打ち寄せているのだが、ほとんど見えず、波音だけがやたら大きく聴こえるという不気味な状況であった。 浦幌町内の漁村を通り、海岸線をダラダラ走ったところで再び国道38号に出る。 |
14時28分、釧路市に入る。 釧路市と言っても、最近合併した出来た飛び地で、元々は音別町である。 釧路の中心街まではまだまだ30km以上ある。 この先国道は海岸沿いの原野と丘をアップダウンを繰り返しながら、真っ直ぐに突き進む。 如何にも北海道的な雄大な景色だが、チャリダーにとっては地獄の区間である。 雄大なアップダウンを4回繰り返し、元音別町の中心街に到着。 さて、探すべきは自転車屋。 コンビニの店員さんからの情報を頼りに行ってみたが、残念ながら定休日。 次の市街地である白糠まで我慢しなくてはならない。 写真は、以前から地図で見て気になっていたYAMANONAKAキャンプ場の案内看板。 看板が示すとおり、音別の町から20kmも山中に入ったところにあるという秘境のキャンプ場である。 是非とも一回利用してみたいものだ。 音別を出、再び登坂地獄。 そしてようやくたどり着いた、癒しの区間。 馬主来(バシクル)湿原である。 広さこそないが、雰囲気は神秘的で精神的に休まる。 15時53分、馬主来沼を渡る橋の所で白糠町に入る。 ここから最後の、かつ最大の登坂をこなし、白糠の中心街へ。 コンビニ情報で自転車屋に向かうが、どうやら店を畳んだ後のよう。 ぬぅぅぅ、釧路市までの我慢か!! しかし、ここからはずっと平坦だから大きな問題ではない。 我々が釧路市の街中に入っていた頃、既に街には明かりが灯っていた。 ホームセンターで前後輪のブレーキシューを買い、装着。 ようやく不安材料が消えた。 今夜の夕飯はすき家の牛丼だ。 何故釧路まで来て牛丼かというと、私とちるどれんがすき家マニアだからだ。 すき家の魅力を語り出すと長くなるが、道内5店舗のうち2店舗を制覇である(札幌にある2店舗は行っていない)。 今夜の宿はライダーズハウス、「銀鱗荘」。 ライダーやチャリダーが語り合う、ホットな場所であった。 我々は溶け込めなかったが。 |
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |