このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
道東における行政の中心、釧路。 それと同時にこの街は交通の要衝でもある。 帯広、阿寒、弟子屈、中標津、根室と各方面に国道が木の根の如く伸びている。 我々がこれから行くのは中標津へと続く国道272号線、通称ミルクロードである。 その名のとおり、日本を代表する酪農地帯を貫く道路だ。 出発前に釧路駅前の和商市場にて名物の勝手丼を食す。 おばちゃんたちの執拗な売り込みをかわしながら、私は鮭、中トロ、サンマ、イクラ、ホタテを乗せた。 サービスに辛子明太子をいただいた。 店番のおばちゃんの商売っ気丸出しの呼び込みが苦手なのだが、美味しいから釧路に来るたびに寄ってしまう。 少な目の朝飯を食べて、出発。 まずは国道44号を東進、釧路町別保辺りで左折、国道272号線に入り、一路別海を目指す。 尚、これより先は別海まで店が全く無い可能性があるため、釧路町内のコンビニでパンを多めに買い込んだ。 ミルクロードはのっけから急坂をもって我々を迎える。 特に峠というわけではないのだが、その辛さは狩勝峠をも凌ぐ勢いである。 11時14分、息も絶え絶えに標茶町に到着。 標茶町は中心街は通らず、端の方を阿歴内、中茶安別(ナカチャンベツ)という集落を結びながら北上する。 阿歴内は望みは持てないが、中茶安別に食料店があれば助かるのだが…。 ここから別海までの一帯はひたすらこのような丘陵地帯が続いている。 国道も律儀にこの地形に従い、ジェットコースターのようなアップダウンを繰り返す。 我々は下りで勢いをつけて、一気に登坂をクリアするといったことを繰り返しながら進んでいった。 まったく終わりが見えないため、辛い。 実は昨夜、釧路にて若干の筋肉痛を感じていたのだが、案外騙し騙しいけるものだ。 この辺りでは太ももを拳で叩いてほぐしながら、正に足に鞭を打つように走っていた。 標茶町に入って1時間程になるのだが、風景の変化がほとんど見られない。 オアシス中茶安別はまだか〜。 …と書いていると辛そうだが、実際私はこの辺りが一番楽しかった気がする(辛かったのは事実だが)。 ちるどれんは「体のあちこちに異常が出てくるのが楽しい。」と言っていたが、その楽しさと私の楽しさは別だと思う。 世一般のチャリダーさん達からは、このくらいで体が痛み始めるとは情けない!!と叱られそうだ。 ひぃひぃ漕いでいると…。 ダチョウ!!!! な、何故こんな所にダチョウが!? ダチョウを見て癒されるちるどれん。 まさかダチョウが飼育されているとは…さすが道東はスケールが違う。 牛さんは飽きる程いるのだが、ダチョウはなかなか見ないだろう。 我々の脇をビュンビュン通り過ぎる車たち。 きっと彼らはダチョウの存在なぞ露さえ知らず、走り抜けているのだ。 自転車でなければこんな発見は出来まい。 ちょっと嬉しくなった。 そしてオアシスが現れた。 広大な丘陵地の中にある小さな盆地。 13時4分、中茶安別に到着。 なんと嬉しいことに、コンビニが一軒あった。 「多分ないだろう」とタカを括っていただけに、感涙ものだ。 中茶安別で昼飯を含めた休憩。 そして再び、サドルに跨る。 別海まではあと1時間程だろうか。 オアシスを出、再び砂漠のよに波打つ大地に投げ出されたチャリダー二人。 14時20分、厚岸町に入る。 厚岸の中心は太平洋岸にあり、この辺りよりかなり南東よりにある。 ミルクロードは端をかすめる程度だ。 かすめると言ってもこの登坂っぷりは凄まじい。 視界がかすみそうだ。 あと一つ、あと一つ、あのピークを越えれば…を何回も繰り返しながら車輪を転がした。 目指すべきゴールは目の前に迫っている。 そして……。 うおぉぉぉぉ!!!! 着いたぁぁぁ!!!! 別海町 |
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