このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

北檜山海岸旧道群〜下見編〜



2005年3月31日、私は窮地に立たされていた。
年度末で忙しいうえ、急遽ドライブに行かなければならなくなったのだ。
しかもこの日じゃないと駄目なドライブだ。
理由を説明すると少し長くなる。

私は北海道全市町村のコンビニレシート収集を趣味としていた。
しかし、まだ獲得していない砂原町が合併してしまうという危機にぶち当たったのだ!!
早速ドライブの相棒フジコ氏(ドライバー)と共に道南へ。
順調に砂原町のレシートをGETし、一気に日本海側へと抜ける。
そのまま国道229号線を辿りつつ帰ることにした。
その道中、場所は瀬棚町、蝦夷の親不知と呼ばれる岩石海岸で我々は驚愕の光景を見ることになる。

ただ、今回は突然の旅で時間も装備もなく大した探索はできなかったのは勘弁していただきたい。
素材は良かったが、料理法が悪かったのだ。
とりあえず今回の探索は下見編とさせていただきたい。
また本格的に探索したいしね。



 
① 虻羅トンネル南口

ここは国道229号線(通称ニンニク)、瀬棚町の市街地から6キロ程北上した辺りの岩石海岸である。
蝦夷の親不知と呼ばれ、急峻な断崖がそのまま日本海へと落ち込んでいる。
現在では全長1キロを超える虻羅トンネルで難なく抜けているが、
それ以前は崖にへばりつくように頼りない道が伸びていた。


これがその旧道の姿だ。
正直言って鳥肌が立った。
道の遺構だけだったらこれ程興奮はしなかったであろう。
あの朽ち果てたロックシェードだ。
あとここからは良く見えないトンネルだ。


どこに旧道があるか分からない人のために、一応線でなぞっておこう。
物凄く行きたかったが、時間の関係上ここはスルーする。
真っ直ぐ新道トンネルへ突入。




 
② 虻羅トンネル北口



トンネルを抜けた瞬間、助手席に座っていた私は左後方(トンネル方面の海岸)を見た。
そして絶句した。
アツイ!!
熱すぎるぞ!!
一瞬で後方に流れていったソレは私の脳裏に焼きついた。
近くの奇岩の脇の駐車エリアに車を停めると、二人はトンネルに向かって歩き出した。




 
③ 素掘り隧道探索


あれだ!!
切り立った崖が海の方へ張り出した辺り。
岩の陰から小さな穴が顔を覗かせている。
うーん熱すぎる光景。
行くしかない。

隧道にアプローチするにあたって、我々は海岸伝いのルートを選んだ。
旧道の路面跡は所々崩れており、とても危険であったからだ。
多少へタレな作戦であったが、そのおかげで素晴らしい物を見つけられたのだから良しとしよう。
それがこれだ。


旧道の石垣である。
下部は波に浸食され、土が露出している。
これは文化遺産とも言えるのではないだろうか…。


ゴロ石海岸から、旧道に登る。
路面は草で覆われ、ほとんど自然に飲み込まれている。
元々そうだったのか、侵食されたのか分からないが、幅は一車線分しかない。
この写真は現道との合流地点を向いて撮影したものである。

そして隧道に向けて一歩一歩草を掻き分け、進む。
隧道までの距離はそう遠くはなかった。
しかし、くぐることは叶わなかった。


何だろうか…。
柵だか、屋根のような物が道を塞いでいた。
そして、その障害物の下の地面は崩れ、既に消失していた。

それにしても迫力のある隧道である。
長さはない。
しかし見る者を圧倒する何かがこの隧道にはある。

現役時代…。
車はこんな崖っぷちの穴をくぐっていたのだろうか。
ドライバーも命がけであったに違いない。


これ以上進むのを諦め、元来た道を引き返す。
背丈ほどある草むらの中、振り返り、隧道の雄姿をもう一度拝む。
何度見ても素晴らしい隧道だ。
もう一度、時間がある時に訪れたい。
出来れば草が茂る前に…。
とりあえずはこの偉大な穴に別れを告げ、現道へと急いだ。




 
その他、この周辺には素晴らしい旧道がたくさんあったので、少しずつ紹介しよう。



まだまだ現役で通用しそうな旧道。
かなり新しい。


旧道の橋と現道の橋。
橋はどちらも渡れる。


大平隧道とその脇にある旧々道らしき道。

中途半端に終わってしまったが、これらの旧道も後日、本格的に探索する予定である。





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