このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

支笏湖ツーリング



恵庭市に突入した天空開発とちるどれん。
しかし、これから千歳市にかけて、道中最長の上り坂が控えているのだ!!

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⑦ 谷、そして登り…

恵庭市に入った途端、急な下り坂。
久々に感じるこの風、清涼感………。
気分も回復する。
この勢いのまま、最後の逃げ道である道道分岐も突破する。

漁川の支流、ラルマナイ川を渡ると、すぐに道は再び上りに転じる。
素早くギアを落とす。
ラルマナイ川と漁川の間の尾根越えが、我々を今回の最高点まで導く。
その地点までの道のりは始まったばかりだが、我々は既に苦しくなっていた。
道端に公衆トイレと広場があったので、そこに停まって休むことにした。


写真は汗を拭いながら、今まで登ってきた道を振り返るちるどれん。

天空開発はここで一人窮地に立たされる。
麓でお茶をがぶ飲みしたせいか、ペットボトルは既に空になっていたのだ。
次に飲み物を買うことができるのは、ゴールである支笏湖畔の自販機。
本州とは違い、北海道では沢の水を飲むことは命取りとなる。
エキノコックスという寄生虫が、キタキツネの体に寄生しているからだ。
まったく…、遠足で水筒の中身を中盤に空にし、終盤苦しんだ小学校時代から何ら進歩していないではないか。

とにかく…、無水状態のまま支笏湖まで走りとおすことはできるのだろうか。



 
⑧ 金山覆道

先述した、ラルマナイ川と漁川を分かつ尾根の頂上の手前に覆道があることを我々を知っていた。
それ故、我々はひたすらその覆道の出現を願いながらペダルを漕いでいた。
その覆道名は金山覆道。
冬期、この辺りで多発する雪崩から国道を守るという重要なスノーシェードである。

カーブの度に、その先が気になった。
あの重厚な洞門が我々の前に立ちはだかれば、この長い登坂ともしばらくはおさらばだ。
そんなことを考えながらも、頭の中にはMr.Childrenの名曲が流れていた。
終わりなき旅
♪ 高ければ高い壁の方が 登った時気持ち良いもんな

いくつか目のカーブを曲がった時、それは遂に我々の前にその姿を現した。


12:05 金山覆道

金山覆道!!
普段は車であっさり通り過ぎるこの覆道。
遠かった。
我々はまたしても腕を天へと突き上げた。
時々車が通り抜けていく脇で、我々はしばらくこの覆道の姿を眺めていた。



 
⑨ 漁の谷へ

金山覆道から尾根の頂上は目と鼻の先だった。
覆道で休んだ勢いで下ってしまったため、写真はないが最高点に達したときの喜びも相当の物であった。
そして下りへ…。


恵庭岳がその雄姿を現すのもちょうどこの頃だ。
走行中撮影したものなので、見にくいが、カーブの奥に見えるのが恵庭岳だ。
この山は支笏湖の北に聳える標高1,320mの火山で、頂上が尖がった独特な形をしている。
ちなみに台風による倒木や落石で、現在は登山が禁止されている。

下って下って遂に谷が見えてきた。
国道が漁川と直交する手前に、何やら東屋を要した公園のようなものが設けられていた。
親水公園
オオッ!!
喉の渇ききった私にとって、まさに「渡りに舟」!!
寄ってこ寄ってこ!!


12:25 親水公園

なななななんと!!
この公園には東屋と砂利の駐車場しかなかった!!
親水とは水を飲めるところがあるという訳ではなく、単に漁川で水遊びができるという後援だったのだ。
なるほど、コンクリートや石で護岸されている。
親子連れが楽しそうに水と戯れている。
私も水を浴びて皮膚から水分を取り込もうと考えたが、河原に下る体力が惜しかったのでやめることにした。

ちなみに写真奥に写っているのは国道の橋。



 
⑩ 千歳市へ………

ここからは一気に外輪山を登りきる。
最後の詰めの区間である。
恵庭岳の山体が眼前に迫ってくる。
その裏側には支笏湖が並々と水を湛えているのだ。
嫌でも脚に力が入る。

途中オコタンぺ湖方面への分岐を過ぎ、遂に頂上に辿りついた。


12:45 千歳市入り

「よしゃあああ!!」
我々はまた自転車を停めて躍り上がった。
あとは下るだけだ。

あのカントリーサインは無論新千歳空港を表わしているのだが、
今回の目的地はそんな喧騒からは20キロも離れた静かな湖畔だ!!

我々は下り始めた。
逸る気持ちはあるが、下りでスピードを出しては危険だ。
適度にブレーキをかけながら、それでも相当の速さで下った。
帰り道、苦しむことが容易に予想されるほど急な下りだった。



 
⑪ ゴール!!

12:55 支笏湖畔

着いた————っ!!
支笏湖————っ!!
距離にして約60キロ。
時間にして約4時間10分。


♪ 静かな湖畔の森の陰から……
森の陰から熊が出てきそうなほど、この辺りはヒグマの大産地である。
左の写真に写るのは支笏湖南岸に聳える風不死岳だ。
さてアングルを変えてみよう。









♪ 静かな……

ってどこが静かなんじゃあ!!!!

なんと真夏の支笏湖は一大観光地であったのだ。
湖面には轟音と水飛沫を上げて走り回る水上バイク。
湖畔にはキャンピングカーやら観光客がうじゃうじゃうじゃうじゃ………。
湖畔で「着いたぞ————!!」と叫ぶという私のささやかな願いは木っ端微塵に砕かれた。

まあ…、場違いな我々ですが、ちゃんと備え付けのベンチとテーブルで昼飯を食べましたとも。
しかも観光地価格のポテトやらたこ焼も買っちゃいました。
何より最高だったのは、久々に摂取する水分、コカコーラでしたな。



 
⑫ 帰路

帰路は結構順調だったんで、スパンスパンと手短に紹介します。

まずは外輪山の登坂。
ここが帰り道最大の難所であった。
特に最初の九十九折りの坂の急さは凄まじく、坂の上の展望台で早くも休憩したほどである。


登坂も若干緩やかになったところで、突然降り出す雨。
我々は植物の陰で数分雨宿りした。
幸いにも雨はすぐに止み、太陽も少し顔を覗かせた。


外輪山を越え、オコタンペ湖方面への分岐付近で休憩をとった。
オコタンペ湖は支笏湖の上流にひっそりと存在している湖で、北海道三大秘湖にも指定されている。
そこへ向かう道道支笏湖線の奥譚から先は通年通行止の悪路で、是非とも攻めてみたい。


ラルマナイ川と漁川の間の尾根の頂上である。
奥に見える切り通しが正にそれで、手前は空き地になっている。
そこからは猛烈に下る。

恵庭と札幌の市界の峠は坂こそキツいものの、距離はそれ程なく、意外と簡単であった。



17:55 ちるどれん宅到着



 
⑬ 南路屋にて

疲労のあまり、食欲を失っていた私だが、店に入った途端に回復。
やはり豚ブリックスジャンボを平らげた。
ちるどれんは豚お好み焼きジャンボだった。

マスターはこう語っていた。
おう、あの道キツイだろ。
俺、前自転車であの道行ったんだけど、途中でやめたんだわ。
いやあ、最近はバイクだけど、バイクじゃあガッツポーズは出ないよなあ。

やはり、やり遂げた後は南路屋に限る!!

この支笏湖ツーリングを皮切りに、チームBBJは様々な活動をしていこうと…そう思った。








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