⑥ 栄→飯山

覚えている。そう、この信濃川に架かる緩やかにカーブを描く橋こそが県境の橋であった。私は、サドルに跨ると少しずつ漕ぎ出した。

信濃川もここから名前を変える。長野県内では千曲(ちくま)川と呼ばれるようになるのだ。水面の眩しさに目を細めつつも、県境を越えていった。

長野県栄村日本有数の豪雪地帯。平家落人伝説が残る大秘境、秋山郷を抱える信州の奥座敷。・・・とPRしてみたが、このくらいしか自慢することのない村だ。しかも奥座敷ではなく玄関口である。

見慣れた地名のオンパレード!!!!しかし、いかんせん長野までの距離が遠いぞ。この先の道の駅でちょっと休んで、今後の日程を考えてみよう。

本邦初公開!!!!こいつが天空開発だ!!!!こらこら、そこの婦女子の皆さん!!クリックしても画像は大きくなりませんぞ!!
とまあ・・・、頭にタオルを巻き、力のないピースをしているのが私である。ちなみにこのダサいTシャツは大学のクラスで作った物である。道の駅の端っこの東屋で、セルフタイマーで一人寂しくこんな写真を撮ったのである。勿論こんなことをしていただけではなく、真剣に今後の日程を考えていた。
結論から言うと、泊まらず、今日中に実家に帰るというプランだ。もう疲労はかなりのもので、一晩寝たら次の日には激しい筋肉痛に襲われることは必至であったのだ。それでもこのまま実家までノンストップというのは辛いので、休憩ポイントとして飯山市内の温泉を選んだ。まずはそこまで20キロ、踏ん張るしかない。
長野県に入ると、急にアップダウンが激しくなる。その影響で休憩回数が大幅に増えた。それでも美しい千曲川の流れを見ると、力が湧いてくる。

ああ、やっぱり千曲川は北信濃地方に限るよなあ・・・。この写真からも分かるように、国道は結構高いところを走っている。
野沢温泉村に入ると、アップダウンっぷりに拍車がかかる。しかもアップの方が多いような気がするのは気のせいか?仕方ない、ここは日本の屋根の玄関口なのだ。
頭の中では「長野市歌」が流れていた。
♪ 大いなる日本の屋根の 要なる理想の県都
 
私が「今回の旅で天空開発を最も苦しめたで賞」を与えたい坂である。上の写真は坂の途中で止まっちゃった図である。さて・・・、残り半分を・・・。
♪ 長野 長野 大長野市よ 躍進の歌声響く
今の坂を越え、もう一山越えたところに温泉はあった。飯山市の上境集落にある「いいやま湯滝」である。入浴料400円を払い、千曲川が一望できる露天風呂へ。よく足を伸ばし、疲れをとった。日焼けしたせいで、体がやたらしみた。やっぱ温泉はいいねえ。
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