このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新川プロジェクト


新川河口にて謎の廃橋を発見したチームBBJ。
後日、我々は実際に橋を渡り、謎を解くべく再び現地入りした。


 
⑪ 謎の橋へ


大学の授業の合間を利用して、我々は漕いで漕いで国道337号線までやってきた。
天気は快晴、絶好のサイクリング日和である。
上の写真は国道337号線の第一新川橋から上流を眺めたもの。
国道を境にして、上流が住宅地、下流が無人地帯である。
さて、無人地帯へ踏み込んでゆこう。


前回の探索時の対岸の道を行くと、早速ゲートが現われる。
どうやらこちら側はゴミ処理場やら下水処理場の敷地らしく色々と面倒くさそうだ。
まあ、大して厳重なゲートでもないので、脇を抜けてゆく。


快適な河原サイクリング。
東岸の砂埃舞う幅広ダートよりも自転車向きといった感じだ。
こんな快適な道であるが、しばらくした所であらぬ方向に進路を変える。

濁川という川が、西側から新川に合流してくるのだ。
当然こんな貧弱ダートにその川を跨ぐような術はなく、
クルリと方向を変え、大人しく濁川を遡上し始める。
廃橋を目前にして思わぬ誤算だ……。


上流で濁川を渡り、気を取り直して河口を目指す。
地図で確認した限り、この先で合流してくる川はもうない。
この道を辿れば、あの魅惑の橋との再会が果たせる。
期待が我々の足を動かし、それに応えるようにチャリは進んだ。


見えたぁ!!!!
いや、当たり前なのだけれどやはり再会というものは感動を伴うもんだなあ。
「元気そうだなあ、よくぞ新川の激流(大したことない)に耐えてくれたなぁ。」
孫を愛でる爺さんのような笑みを浮かべながら、我々は橋に近づいていった。



 
⑫ 廃橋の袂


橋の袂!!
いやはや、こんなデカイフォントにする必要はなかったな…。

向こう岸がそうであるように、こちら岸も橋はプッツリ切れている。
写真の左手に橋へのスロープがあるのだが、それと橋の間には2m程の断絶がある。
崩れ落ちたのか、それともこの道を通すために撤去したのか。
定かではないが、現在スロープを必要とする自動車は橋に立ち入ることはできない。


コンクリート製の橋脚と言い、橋桁と言い、廃橋とは思えぬほど立派な造りである。
切れてさえいなければ、下手な現役橋よりずっと立派なのではないだろうか。
意外と新しい橋なのかもしれない。

さて…。
渡りましょうか。



 
⑬ 廃橋との戯れ


土盛りを無理矢理よじ登り、橋の上に立つ。
手前側は草に覆われているが、その先はコンクリート路面が真っ直ぐ対岸を目指している。
非常に頑丈そうな造りで、ただの歩道橋には見えない。
さらに欄干はガードレールであり、歩道橋説を薄くさせている。
ただ、車道橋にしては狭すぎる気がする……。

となると廃線跡を歩道として整備したという説が出てくるが、
前回帰宅後の調査ではそういったものが存在したという情報は得られていない。

そんなことを考えながら渡っていたのだが、橋は非常に頑丈で、
とても途中で切れるような代物ではないような気がしてきた。
しかし東岸部分が消失しているということは、動かしがたい事実。
あーだこーだ言っても仕方ない。


ここが問題の橋切断地点。
スッパリと橋が切れ、通行止の柵が設けられている。

若干引っかかるのが、橋がちょうど接続部で切れているということ。
災害によって崩壊したとしては、不自然な切れ方である。


そしてもう一つ、切断部分に海側に建つ木製のやぐら。
橋と接していることから、橋と無関係な建造物ではなさそうである。
この謎のやぐらもこの橋の謎を解く手掛かりとなりそうである。


消失した部分を望む。
背の高い植物群の中、かつての〝橋の脚〟が淋しげに立ち尽くしていた。
一体何がこの地帯を襲い、橋を崩したのであろうか……。
釈然としないまま、我々は振り返った。


この橋は渡れぬ橋。
すでに橋としての役割を果たすことができなくなった廃橋である。
向こう岸に行くこともできないので、引き返すことにする。


丈夫そうに見えるこの橋にも綻びが見られる。
ガードレールの一部がだらしなく折れ、垂れ下がっている。
しかもあらぬ方向に……。
普通は橋の外側へ垂れ下がるもんじゃないのか?


往時、橋はそのままスロープへと続き、道は森の奥へと伸びていたのだろう。
ここから見ると、現在でも繋がっているように見えるが、
そのまま突っ込むと、切り通しと化したダートにダイブすることになる。
悲しいことだが、実際この橋は両側が切れているのだ。
ぽつんと川に残された橋、何の役にも立たない哀れな橋である。

この橋の悪い所ばかり書き連ねてしまったが、私は好きである。



次回、最終回!!!!
この橋の謎が遂に解ける!?
最終回へ

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