⑪ 謎の橋へ

大学の授業の合間を利用して、我々は漕いで漕いで国道337号線までやってきた。天気は快晴、絶好のサイクリング日和である。上の写真は国道337号線の第一新川橋から上流を眺めたもの。国道を境にして、上流が住宅地、下流が無人地帯である。さて、無人地帯へ踏み込んでゆこう。

前回の探索時の対岸の道を行くと、早速ゲートが現われる。どうやらこちら側はゴミ処理場やら下水処理場の敷地らしく色々と面倒くさそうだ。まあ、大して厳重なゲートでもないので、脇を抜けてゆく。

快適な河原サイクリング。東岸の砂埃舞う幅広ダートよりも自転車向きといった感じだ。こんな快適な道であるが、しばらくした所であらぬ方向に進路を変える。
濁川という川が、西側から新川に合流してくるのだ。当然こんな貧弱ダートにその川を跨ぐような術はなく、クルリと方向を変え、大人しく濁川を遡上し始める。廃橋を目前にして思わぬ誤算だ……。

上流で濁川を渡り、気を取り直して河口を目指す。地図で確認した限り、この先で合流してくる川はもうない。この道を辿れば、あの魅惑の橋との再会が果たせる。期待が我々の足を動かし、それに応えるようにチャリは進んだ。

見えたぁ!!!!いや、当たり前なのだけれどやはり再会というものは感動を伴うもんだなあ。「元気そうだなあ、よくぞ新川の激流(大したことない)に耐えてくれたなぁ。」孫を愛でる爺さんのような笑みを浮かべながら、我々は橋に近づいていった。
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