このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ハヨピラ自然公園跡


 
「平取(ビラトリ)町に宇宙基地があるらしいぜ。」
チームBBJの 微妙スポットハンター ことちるどれんから寄せられた情報は非常におどろおどろしいものであった。

今から40年ほど前、UFO教団CBAという団体によって、この山間の小さな町に宇宙基地が建設されたらしい。
ここ平取にアイヌの神オキクルミの伝説が残っていることから、この地に白羽の矢が立ったそうだ。
オキクルミがUFOとの交信ができると信じられていたようだ。

そんな彼らによって建てられた基地であるが、団体の衰えと共に荒れ始めた。
一時は平取町がその土地を買い取り、公園として整備しようとしたのだが、計画は頓挫。
現在は不気味な廃墟が平取の街を見下ろすように聳えているらしい・・・。



基地の地図を開く(別ウィンドウ)




我々はその廃墟をこの目で確かめるため、平取町へと旅立った。

今回の参加者は私とちるどれんzwiebel、そして今回初参加となるシャド丸である。
彼は冷静な男であるが、我々のお馬鹿ウイルスに対する免疫がどんどん薄れてきたのか、勢いに負けているのか、最近色々な場所に連れ回されている。

平取は日高地方の内陸部の山間の町。
札幌からは2時間ほどで着く。




平取の中心部を過ぎた辺り、正面の尾根の上に何やら不可思議な構造物が見えてくる。
冬枯れの木々の間から顔を覗かせる、安っぽく白で塗りたくられた建物。
これが今回の調査地、ハヨピラ自然公園跡である。

心なしか雲行きが怪しくなってきたような気がする・・・。



この長閑な里山に似つかわしいほどに悪趣味で派手な門。
ミステリアスな雰囲気を出そうとしている装飾が、かえって安っぽさを倍増させている。

かつては多く信者たちがこの門の下を往来したのであろうか。
今では誰も寄り付かなくなった基地への門の脇を、我々は抜けた。

※なお、現在は災害の影響で閉園しているので、探索は自己責任で行ってください。

門をくぐり、砂利の坂道を登っていく。
そして登りきったところで我々が見たものとはッ!?






















出たッ!!!!
これが平取が世界に誇りたくない宇宙基地!!!!

随分と急な階段。
途中にある花時計や壁画。
そして頂上、教祖が立ったと思われる舞台。

どこか宗教というよりも、一昔前の遊園地といった趣の、宇宙教団総本山。

階段を上がってみよう。





階段はなかなか斜度があり、登るのに苦労する。
そんな階段の中腹ほどにある円形造形。
これは花時計跡である。
今の荒廃した姿からは想像できないが、往時は色とりどりの花で埋め尽くされていたのだろうか。






最初の階段を登りきると、なんとUFOが出迎えてくれる。
アダムスキー型である。
あまりにも典型的なUFOなので、一同唖然とする。






視線を南に移すと、そこには飛行機(ロケット?)
飛行機に見えるが、ここはUFO基地なのだからロケットと考えるのが自然だろう。
意味不明な像も朽ち果て、ある種不気味な雰囲気を醸し出している。








この辺りにはマムシが出るらしい。
探索の際は注意されたい。




さらに上を見上げると、ボロボロに崩れた空中通路
一体何のために使われていたのか。
通路の先端に教祖が立ってUFOを呼んでいたのか・・・?_

さらに上に行く階段は正面が金網で塞がれているので、脇の斜面を登ることにした。




空中通路をくぐって這い登るちるどれんとzwiebel。
シャド丸が先頭となり上を目指す。

ところでこの通路跡、産業遺構のようで、なかなか見応えがある。
この遺構はどんなジャンルに位置づけられるのか。
宗教遺跡だろうか。




下を見ると、目も眩むような高さ。
こんな急な階段では、自然公園としては危険だろう。
宗教の総本山としてはどうか。
教祖が上から見下ろして、「人がゴミのようだ。」とふんぞり返るには丁度良い高さだろう。






そして見上げると教祖が立って教えを説いていたと思われる舞台
あの的のようなマークは何を表しているのだろうか。
太陽?或いは単なる的か。




舞台の上に上る階段はいたって簡素なものだ。
というか簡素すぎて、しかも錆び過ぎて登るのが怖い!!!!
UFOを呼ぶ教祖様が使う階段なんだから、もうちょっとしっかりして欲しいものだ。
教祖が登った階段を、我々も登る。





舞台の上からは川辺に寄り添う平取の町並みが見渡せる。
まさにUFO基地のお膝元の町なのだ。
そう考えると可哀想。

やっぱり教祖が「見ろ、人がゴ(以下省略
可哀想。






北側の空中通路。
崖の外側に迫り出しているのだが、その部分の床がそっくり消えており、危険すぎる。
やはり突貫工事であったのだろう。
この基地、全てが脆そうだ。






急過ぎる・・・。
こんなおっかなびっくり下りないと転落しそうな階段だ。
それに足元も意外と脆そうだし・・・。





オキクルミがUFOを召還している柱祈りを捧げる女性の柱
うーむ・・・。
本当に呼んでしまっている・・・。
やるな、オキクルミ。




これまたオキクルミがUFOを呼ぶ壁画
写真では分かりにくいが、クマも描かれている。

ちなみに私が住んでいる寮の寮歌にはオキクルミがクマをぶん投げてクマ鍋パーティーをしたという内容の歌詞があった気がする。
やるな、オキクルミ。








一旦下まで下りたところで、ある物を発見したので向かってみる。







オキクルミ様!!!!
すっかり廃れてしまった基地の隅っこに寂しく鎮座している。
今でも訪れる者がいるらしく、花が供えてあった。





こうしてオキクルミの偉大さを感じつつ、我々は基地跡を後にした。
平取という山間の町が、一時は信者たちで賑わったのかどうか。
定かではないが、現在、廃れてしまった総本山は静かに町を見下ろしている。
これから先ずっと平取の町を見つめ続けるのだろうか。




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