このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
飛騨の山中に放置されたリゾート地。 訪れる者も稀な高原の谷に眠る巨瀑。 私は下調べもせずに挑み、冷たく跳ね返され、無念の敗走を余儀なくさせられた。 市道の、滝に最も近づく場所からのアプローチは不可能。 谷を遡行するルートも間違い。 対岸の林道からの遡上は、あさっての方角へ導かれ…。 ならば、ニコイ大滝、そして廃橋はどこから接近するのか? 帰宅し、地形図を見たら、すぐに答えは分かった。 ![]() 赤の実線で示した道が、まさにそれである。 つまりアプローチ路は市道の途中から菅沼谷北側斜面をトラバースして滝へと至っていたということだ。 あぁ、なるほど。 確かに一回市道を通った時、それっぽい踏み跡らしきものがあったような…。 ちゃんと調べていけば、辿りつけたものを…。 おかげで「ニコイ高原の廃遊歩道①」とかいう全く無駄な章を作ってしまったじゃないか。 さて、お待たせしました。 今回の章は成功編。 翌月、5月19日に再挑戦した。 ※その日は平日ですが、決して筆者が仕事をズル休みして探索しに行ったわけではありません。 前日の日曜日に出勤したので、振替休日を貰えたのであります。 |
この日は富山県から岐阜県入りした天空開発。 平日ということもあり、富山から驚くべき速さで飛騨市に到着した。 そして、グネグネとした市道を登り、心当たりのあった踏み跡の前にやってきた。 ちょうどヘアピンの頂点辺りから、ヒョロリと伸びている踏み跡。 左の写真、私の車の背後にある。 こりゃ下調べしなきゃ分からないなぁ。 リゾートというイメージとは大きくかけ離れた獣道であるが、一応人が往来がある程度はあるようで、歩きにくいということはない。 ゆっくりと下ってゆく道。 地形図によるとニコイ大滝まで500mもないはずである。 地形図からは読み取ることができなかったが、九十九折りがある。 やはり市道の方が、滝よりも高い位置を通っているらしい。 2回、180度方向を変え、道はいよいよ滝へと向かい始める。 ※カーソルを合わせると画像が変わります。 おお、桟橋!! 橋まではずっと、変哲もない獣道だと思っていたため、これは嬉しい発見だ。 もしかすると、獣道も綺麗な遊歩道に生まれ変わる予定だったのかもしれない。 きわどい崖を桟橋をもって乗り越える遊歩道。 当然、放置されてからは修繕されておらず、手すりもフニャフニャだ。 手すり以外の部分は健在で、ここも危なげなく進む。 そして、桟橋を越えたところのカーブを曲がると…。 滝見橋出現!!!! うおぉぉぉぉぉぉ!!!! |
木々の間から橋が見えた瞬間に、私は駆け出していた。 そして着いた橋の袂。 特に飾りけもない細い歩道橋。 私が事前にネット上で見た写真では、手すりが白く塗られていたが、すっかり赤く錆びてしまっている。 手前の手すりが抜けているところには、宮川村と書かれたテープが張られていた。 …ということは、少なくとも飛騨市になってからの4年間は管理されていないのだろう。 特に立入禁止というわけでもないので、廃橋へと踏み出した。 橋を歩いていると、自分のすぐ左側から水の音。 向いてみると、滝ではないか!!!! ニコイ大滝ではないか!!!! ニコイ大滝 岐阜県一の落差を誇る滝は、滝見橋からもその全景を捉えることができない。 茂りすぎた木が、滝を覆い隠しているから、というのもその理由の一つだ。 しかし、何より巨大過ぎるということが、全体像を掴めない最大の要因であろう。 落ち口は我々のすぐ斜め上。 そこから飛び出した水は、我々の目の前の崖を流れ落ちて行く。 そこから先はもう見えない。 我々の足元、橋のさらに下へと消えてゆく。 どこまで落ちているのか、目を凝らせども、木々に隠され果ては見えなかった。 真っ暗で底が見えない井戸に似ている。 今立っている橋が、地上からどれだけの高さがあるのかを考えると足がすくんだ。 滝を過ぎたところで、橋は斜めに曲がる。 ちょうど崖に沿うような感じだ。 斜めに折れると、橋はそのまま真っ直ぐに対岸へ。 その先は行き止まりになっているように見える。 橋の欄干は、落石の襲来でも受けたのか、グニャリと曲がってしまっている。 斜めに折れたところが、橋が一番よく見える地点。 むしろここまで来て、ようやくこの橋がアーチ橋であることに気づいた。 まぁこれだけの高さがあるのだから、吊り橋かアーチ橋くらいしか造れないだろうな…。 最初に見た時は、まぁ遊歩道だしこんなもんか、と思ってしまったが、ここから見ると立派な橋ではないか。 橋を少し眺めた後、対岸の方へと歩き出した私。 その目が捉えたものとは…!? 何ですか?コレは。 ※カーソルを合わせると画面が変わります。 |
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