このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

小串鉱山
毛無隧道②


 
④ 大前須坂線の真髄





さて…これから小串鉱山へ向かうわけだが…。
峠の看板に書かれていたとおり、小串までは片道4kmもあるそうで…。
車で行きたかったが、非常に怪しそうな道だったので、躊躇していたら、ワゴンが元気良く群馬県側へ突っ込んでいった。

よし、ゴーだ。





ゴロゴロと車を進めていると、それ程劣悪な道ではないような気がしてきた。
北海道の未舗装道道レベルだろうか。

道はショボショボしているが、後方へと流れていく景色は一流だ。
日本離れした風景の中、一旦北へと進む。
最初のヘアピンへ向かって。





すっげえ!!

最初のヘアピンで方向を180度変えたところで、私は思わず叫んだ。
私が進む道が、際どい断崖をへつり、そのままヘアピン地帯に入っていくのが見えた。
この雄大な谷に、白い絵の具で一筆書きしたような……。
そんなダイナミックな道である。

※カーソルを合わせると、画像が変化します。






破風岳の特徴的な稜線を眺めながら、断崖地帯へと車輪を転がす。
実際は山など眺めている余裕はないほど、デンジャラスな道だ。
斜面は緩やかに見えるが、路肩に落ちればタダでは済まないだろう。

うーむ…緊張する。







車を一旦停止させて、来た道を振り返ってみる。
なかなか凄い所を走ってきたな…。
これから進むべき道はもっと凄そうだけど…。

峠の鉄索支柱が遥か後方へ遠ざかっている。





チベットってこんな感じかな。

目の前の道が、遠い異国の物のように感じる。
しかし、私は現実に戻らねばならない。
小串へ行かねば!!

目の前の落石ゴロゴロの道をおっかなびっくり越えて先へと進む。





そして始まるヘアピン区間。
こんなに綺麗で、こんなに見通しの良いヘアピン地帯を、私は他に知らない。
このヘアピン群をもって、県道は1800mから1600mまでに標高を下げる。

後方の緑に一筋のラインが見えるが、あれは恐らく徒歩道であろう。
途中で崩壊しているのが分かる。

※カーソルを合わせると、画面が変わります。








ヘアピンを曲がるたびに、どんどん標高が下がってゆく。
それに従って、今走ってきた道はどんどん上へと流れていく。
毛無峠と最初のヘアピンが写っているのがお分かりいただけるだろうか。






最後のヘアピンを曲がり、県道は北へ進路をとる。
すると徒歩道の崩壊を正面に望むようになる。
地図によると、県道は崩壊の手前で直角に曲がり、崩壊の直下を通っている。
小串鉱山はもうすぐのはずだ。

※カーソルを合わせると、画像が変化します。





お、崩壊直下を通る道が見えてきた。
なかなかデンジャラスな場所を通っているな………ん?

むむむ、あれは石垣ではないか。
やはり2000人もの人々と、国内有数の硫黄鉱山を支えた唯一と言っても良い道。
ただの砂利道ではないようだ。

感心する私の前にさらなる驚きが現れた。





石畳だと!?

え?石畳、車通れるの?
長野市の善光寺前の中央通りのエセ石畳なら通ったことあるけど。

地図によると、この石畳の部分は枯れ沢が横切っているらしい。
雨が降った後などは、かの有名な温見峠のように路上を水流が横切るのであろうか?
見てみたいが、雨の後のこの道に入るのはゴメンだ。

ゴトゴトと石畳を越え、崩壊直下を通り抜けるとやがて左カーブが現れる。
そして—。







小串鉱山

到着—。



次回!!最終回!!
果たして隧道は見つかるのか!?

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