このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

美利河ダム魚道


「日本最長」というものは全国各地にあり、それぞれがアピールしている。
橋、トンネル、直線道路など様々であるが、今回紹介するのは魚道である。

さて、ネタの割りにかなりの苦労を強いられた探索の始まり始まりぃ。


 




今回の舞台は道南の今金町。
そんな小さな町の端に美利河ダムである。
そこのダムに、日本最長の魚道があるという情報を得たのは探索の三ヶ月ほど前であった。
どんな魚道なのだろう。
頭の隅に疑問が浮かんでいたのだが、大して問題にもせずに時が過ぎた。





今回私は友人の zweibel と共に瀬棚に遊びに行った帰りに、美利河ダムを訪れた。
周りは既に冬枯れの荒涼とした風景であった。

美利河ダムは1991年に竣工し、それによって生じた湖はピリカ湖と名づけられた。

ちなみに大学生協の食堂メニューにピリカラーメンなるものが存在するが、これは「ピリ辛のラーメン」という意味で、当地区とは全く関係ない。





今回の主役は魚道であるが、このダム自体にもある日本一が隠されている。
重力式コンクリート・フィル複合ダム(フィルダムとは土や岩石で作られたダム)としては最長の堤頂長を誇っている。
その長さ1,480m。
確かに高さこそないものの、幅は一枚の写真に収まりきらないほど長い。

無駄に広い駐車場に車を停め、魚道を見に行こう。





ここが魚道の起点。
奥のコンクリートの辺りでダム下流部と合流している。
川(利別川)を遡上してきた魚たちにとってはこの魚道がラストスパートとなる。
私にとってはここが起点。







振り返って上流方面を望む。
ひたすら続く水の階段!!
長さ2.4kmの道は最初から厳しい(魚にとって)。

さて、遡上開始である。
別に魚道を遡るというわけではなく、脇の小道をね。
運転手zweibelは車内で休憩しているため、急ぎの探索が要求される。
スタートだ。





遡上開始から程なくして、中州が現れる。
急な階段を上ってきた魚の休憩所らしく、ここは平坦になっている。
そして意図してなのかどうなのか分からないが、魚道に突っ込まれた流木。
お魚さんへの配慮が所々に見られる。
ここで言うお魚さんとは、サクラマスのことである。





頑張っているお魚さんを応援するための橋。
このように観光面も考慮しているのだろうか・・・。
その割には道(私が遡っているやつ)は作業道丸出しの砂利道。

どうやらまだ未完成らしい。
ちなみに魚道も全てが完成したわけではなく、最終的には6kmを超える予定である。





下流を振り返る。
随分登ったがまだ半分も来ていないだろう。
あまりzweibelを待たせてもいけないので急ぐことにした。

ダムの堤頂はもう目と鼻の先になっている。





怒涛の水階段は一段落し、流れも緩やかになる。
お魚も一安心といったところか。
魚道は堤と平行に流れている。
このまま山側から大きく迂回して距離を稼ぎ、緩やかに登っていくらしい。

長距離走が苦手な私は・・・息が切れ始めた。





えっほえっほ。
なかなか過酷な持久走。
お魚にとっては尚更であろう。

この先の方を見ると、魚道は道路の下を潜っている。







道路の下を潜った魚道は、その奥でカーブを描く。
ここで堤と平行方向を向いていた魚道は真っ直ぐと上流を向く。
左の駐車場には重機が停まっており、美利河魚道プロジェクトがまだ終わっていないことが分かる。








カーブした魚道は山側を少し進み、再び90度曲がり、再び道路を潜る。








山側を迂回し、堤の上流側に回り込んだ魚道はダム湖の方へ向かう。
こちら側はさらに整備されておらず、ろくな道がない。
すでに息は切れ切れだったが(体力無さ過ぎである)、私は走り出した。





ダム湖に近づくにつれて、幅が広がる魚道。
それと周りの荒れ果てた風景とがマッチし、なかなか独特な世界が作られている。
これが生活の場としての機能を剥奪されたダム湖の風景なのだろうか。

魚道はあと少し続いているのだが、道はここで終わっていたので、探索はここまでとした。
普段なら進むところだが、慣れない長距離走で息が上がってしまったので・・・。


ちなみに帰りはあの道路まで迎えに来てもらった・・・。



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