
早朝の直線道路、雨打つ路面をzwiebel氏の車は水しぶきを上げながら疾走していた。これは朝日町の泪なのか、それともただ私が雨男なだけか。とにかく、我々が旧市町界に辿りついた時、周辺の風景は分厚い雨雲の影に沈んでいた。元々カントリーサインが誇らしげに立っていた場所で、カントリーサインもどきが寂しげに我々を迎えてくれた。もうここは朝日町ではなく、士別市朝日。消えた『町』の字がその悲しき事実を物語っていた。

元朝日町役場。時間が問題なのか、ひっそりと静まり返っている。真新しい小奇麗な建物が弱まったシトシト雨に打たれている。

この建物は今や士別市朝日総合支所。もはや一自治体の中心としての肩書きを剥ぎ取られていた。
平成の大合併の現在、支所と名付けられた〝元役場〟を見ると、何とも言いがたいやるせなさがこみ上げる。岐阜県なんか支所だらけになってしまったんじゃないか?
話がそれてしまったが、かつての朝日町の行政の中心で追悼式を行なおう。さて、準備だ。

???

朝日町の位牌!!!!
これはzwiebel氏の手作りである(暇というか・・・器用だ)。位牌を前にして、朝日町の消滅の悲しみを強く噛みしめた。
いつか行けるだろうと軽く考えていたら、いつの間にか合併していた。所さんのダーツの旅で、雪で埋もれたこの山間の小さな町を初めて見た小学校時代。アイヌ語地名でないことで、あまり愛着が湧かなかった名前。僅かではあるが、私の中の朝日町のイメージが次々現われては消えた。
朝日町よ、永遠に・・・。例え地図上から消えようとも、我々の心の中からお前は消えない。
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