このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
二本目の隧道を抜けた先も、やはり平穏な道が続いている。 ガードレールの支柱も残っており、沿線で最も林道の色が濃く残っている区間と言える。 3本目!!!! 土砂が積もった路面の先に待ち構えている、真っ暗な坑口!! 今までの隧道よりも一際迫力のある隧道だ。 川側はやはり切り立った断崖だ。 隧道が崩落していた場合、とても迂回することは出来そうもない。 三本目の隧道の坑口は半ば埋もれかかっていた。 入口に立つと、素掘りの天井が目の高さに見え、なかなかの圧迫感。 するりと体を闇の中に滑りこませ、軌道の高さに戻る。 路面はやはりウェットでなかなか歩きにくい。 そしてこの隧道もまた下流側のみコンクリートの断面となっている。 北又渡からここまで、約1km歩いてきたことになるが、比較的易しい道で、なおかつ隧道もテンポ良く現れたため、あっという間に歩き通してしまった。 人里離れた深い山中に見える場所であるが、下栗の集落から直線距離で200m程の場所である。 まぁ、高低差もまた300m以上あるわけであるが…。 隧道を抜けると、そこは遠山川の河原。 コンクリートの築堤が伸びており、軌道はその上を通っていたようだ。 もっとも、もともとはコンクリート造りではなかったであろうが…。 緩やかなカーブを描く築堤。 流木が路盤に残されており、増水時には水没することが分かる。 それよりも…。 築堤が川の流路へと向かっているように見えるのであるが…。 これはひょっとして…。 ビンゴォォォォォ!!!! ついに橋が現れたっ!!!! 思いのほか頑丈そうな橋だ。 水面からの高さも無く、恐怖を感じることなく渡る切ることができそうだ。 河原に降りて、橋を観察してみる。 構造は非常にシンプル。 風化しているものの、ドッシリとした重厚な橋で、現状であっても、木材を満載したトロッコが往来することは可能であろう。 さて、橋を渡って先へ進もう。 橋を渡りきった先もまた、築堤だ。 こちら側は石垣で固められた昔ながらの築堤。 これは河原を横切る左岸と違い、水流による影響が少ないためであろう。 軌道跡は川の流れに沿うように、左へグイっと曲がる。 その先で、軌道跡の幅が格段に広がる。 複線…或いは貯木場があったのだろうか。 対岸に渡り、日当たりが良くなったからか、草が生え放題となる。 今のところ問題なく歩けるが、この先が心配だ。 坦々と歩いていると、やがて崖に突き当たる。 ん?行き止まりか? 川側は切り立っており、遠目で見ても軌道が通れないことは明らかだ。 …となると林鉄の行く先は…? 私はゆっくりと山側を向いた。 おあっふ!!!! 軌道は崖の手前で急カーブを描き、地中へと突っ込んでいた。 今までの隧道と違い、強い“廃”オーラを放つ次なる隧道。 この暗い隧道を境に、平穏な林鉄跡が急変、牙を剥くとは私は夢にも思わなかった。 |
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