このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

道東強行野湯ツアー 【後編】


 
③ 二日目も野湯ラッシュ







道東の野湯巡りに来ている我々4人。
「風呂が無料だから泊る所は贅沢に行こうぜ」ということは全く無く、宿にも金はかけない。
今回の旅は、非常にストイックだ。

今日は屈斜路湖よりもさらに東にて、野湯を駆け巡る。
もう一回北上することになるのであるが、せっかくなので、一旦昨夜の展望台へ行ってみよう。





そこには絶景が広がっていた。

早朝ということもあって、薄い靄が縦横無尽に湿原を這いまわっている。
細岡展望台には過去3回来たことがあるが、こんな素晴らしい釧路湿原を拝めたのは今回が初めてだ。

今日は良い日になりそうだ。







別海町と同じく、日本を代表する酪農地帯、中標津町にやってきた。
それと同時に当町は、空港を有し、この辺りの中心地的役割を担っている。

本日1湯目は、ここ中標津町にあるからまつの湯だ。




からまつの湯へ行く途中にある、巨大な「」の文字。
まるで酪農家の乱心としか思えないようなアート(?)は、地元の農協の組合員や研修生らが合同で刈り上げたものだという。
北海道のスケールを味わいたいのであれば、是非訪れてみて欲しい。

からまつの湯に行くためには、牛文字のある山(モアン山)の手前で右折する。





砂利道の道道からさらに右折、そしてまた砂利道を少し走ると、現れる。

五湯目、からまつの湯!!!!

温泉前の広場には先客のバイクと車が1台ずつ。
なかなか愛されている野湯なようだ。




木製の塀の内側に入ると、正面には小川に面した湯船がある。
掘立小屋のような脱衣所で服を脱ぎ、入ってみると、ここも適温だ。
また、小川のすぐ脇というワイルドな立地の割には綺麗。

派手さはないが、何度も入りに来たくなるような、そんな野湯であった。









次はお隣の標津町。
標津町にある川北温泉、そして薫別温泉という個性的な2つの温泉へ向かう。







ハンドルを性狂に譲ったところで悪路が始まる。
恐ろしい。

ダートをひたすら進んだ場所に川北温泉はあるのだ。





延々とダートを走った先に、唐突に現れる広場。

六湯目、川北温泉!!!!

もともとは町の保養所であったそうだ。
保養所が廃止後、地元の有志によって湯船が復活。
それがここ、川北温泉なのだ。

こんな秘境に保養所を造った標津町は素晴らしいな…。



さすが、元保養所だけあって、きちんと男湯と女湯が分かれている。
女湯がある野湯は、北海道では、ここの他には知床の熊の湯くらいではないだろうか。

ちなみにここ、かなり熱い。
物凄い形相で湯に浸かっている我々を見かねて、先に来ていた地元のおじさんが水を足してくれた。
道内には、かなり湯温が高い野湯が多くある。
ただ、地元の方は皆熱いのが好きなので、水でうめるのは地元の人の了承を得てからにしよう。
水を足しても、さほど温度は変わらなかったが、この熱さがここの温泉の味なのだと、自分に言い聞かせながら浸かっていた。







お次は薫別温泉。
そこに至る道の路面状況は川北温泉のそれよりも、格段に悪い。
先日、同じ寮の仲間の源造(主に沢登り系レポートに登場)が、車高の低いスカイラインで訪れてとは思えない程の悪路。






いい加減不安になりかけたころ、林道は行き止まりを迎え、そこにバイクが2台停まっていた。
バイクがなかったら、道を間違えていたと判断していたであろう。
それほどに何もない。

辛うじて踏み跡のようなものがあったため、そこを進む。
こりゃぁ、ヒグマが出てもおかしくない所だなぁ。







こんなところを下る。

どうやら温泉は谷底にあるようだ。
ロープを頼りに、険しい斜面をくだってゆく。

前を行くは一人だけ赤つなぎの細道。





七湯目、薫別温泉!!!!

こ…これはワイルドだ。

湯がかなり高温であるため、写真にうつっているドラム缶で川の水を入れるらしい。
ところが湯船と川の間には高低差があるため、ドラム缶には紐が括りつけられている。
つまりドラム缶を川に投げ込み、水を汲んだら紐で引上げるという作業を繰り返すのだ。



非常にまどろっこしい作業であったため、我々は川に降り、川底から湧く温泉で温まることにした。
湧出点を探し、その周りに石を置き、湯船を造る……………
そっちの方がまどろっこしいわ!!!!

大人しく正規の湯船を水でうめ、温まって帰りました。
ドラム缶を投げ込む時に、うっかり紐を離してしまい、ドラム缶が川に流れて行きそうになったことはここだけの秘密だ。





まだ知床の方にも、魅力的な野湯が点在するのであるが、今回は時間の関係上ここまで。
2日間で入浴した温泉は7湯という、凄いのが凄くないのかよく分らない記録を打ち立てた。

最後にひとつ。
写真は、帰りに寄った斜里町のエスニック料理店「RED HOT CHILI PEPPER」の料理。
非常に気に入っている店で、知床方面に向かう時はよく利用している。
マスターが現役ライダーなので、バイク乗りの方は行ってみると話が弾むかもしれない。
おススメの店です。



日数・・・2日
入った野湯・・・7湯

—以上—


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