このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

赤芋黒麹
寿海酒造協業組合 宮崎県串間市

(2009.06.15)
20°
寿海酒造協業組合 さんは地元特産の“ことぶきかんしょ”という食用の赤芋を使用して焼酎を造ってきた。それが地元でも良く飲まれている“ ひむか寿 ”なのであるが、最近はコガネセンガンで仕込んだもの、宮崎らしい完熟きんかんやマンゴーのリキュール(これらも“ことぶきかんしょ”で仕込んだ焼酎を使用しているそうです)なども製造している。

良い意味で商品展開に一生懸命取り組まれている蔵元であるが、昨年の秋(・・・だったと記憶しているが)に「県内限定本数限定」で発売されたのが白いラベルに赤いキンキラの文字の力強さが印象的な黒麹仕込みの焼酎であった。

ネットで調べてみると、県外では真っ赤な25度のラベルもあるようでして、“20度”という意味なのかな・・・と今更ながら思ってしまうのであるが、都城市内ではなかなか見かけず、また、地元串間市に用事があるわけもなく・・・ということで購入したのは宮崎に引っ越してきた4月の末でした。購入しようと思えば購入できたのに、今の今まで後手後手な感じになったのが心苦しいですね。すみません。

従来版(とでも言った方が良いのかな・・・?)の白麹仕込みのものは赤芋の風味が良く出たあっけらかんと明るい感じの焼酎だった。黒麹仕込みのものはどう変わったかと申しますと、軽快では無いのだがどこかすっきりしていて上品に感じる。

さて、同社といえば、自社の焼酎かすの処理問題を解決するために養牛を行っているのである。他産業からの農業への進出には大きな障壁があった思われるが、経産牛肥育(繁殖に供することの出来なくなった母牛を肉用に肥育するのですね)300頭くらいの頭数を擁する一大経営を展開しているという。農場の方にはもちろんお伺いしたことが無いのであるが、驚きなのは配合飼料(=トウモロコシ、大豆粕などの穀類由来の飼料)の給与量を抑え、焼酎かす主体の飼育方法をとっている事。どうなっているのかいっぺん見てみたいですよ。

循環型の焼酎製造を地で行く。焼酎かすの利用については大抵が農家側からのアクションであったりするのですが、こういった試みが製造側から出るというのが興味深く思えます。

冒頭の話ではないですが、一生懸命。

畜産の分野も特に牛では不景気の影響をモロに受けておりますが、今だからこそ踏ん張って欲しいです。
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