このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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私には野望があったのだ。
一般的に、ジョイホワイトに代表されるような焼酎原料用の甘藷やデンプン向けの甘藷については、「食味が良くない」と言われるところであるが、なかなかそういう特殊用途の甘藷を食す機会がないので、私を含めたほとんどの人が各メディアからの情報を鵜呑みにするしかないだろう。
私の野望の1つに、「焼酎原料として利用される甘藷を食す!!」というのがある。これまで、コガネセンガンやことぶき芋、β-カロテン系の甘藷についてはなんだかんだ言って食べてきたのであるが、焼酎原料用やデンプン向けのものは『生食に向かない』と評されるだけあって、スーパーの青果コーナー等で見かける事は皆無である。
ところが、ひょんなことからデンプン向けの品種“ダイチノユメ”を入手する機会を得たのである。わずか2本ではあるが、私のような「興味津々。突撃摂取!」な輩にはちょうど良い量だ。
さっそく、観察してみた。
・・・外観だが、コガネセンガンと比較したとき、いもの表面に走る溝(条溝)がほとんど見られない。溝が無い分、仕込み時の整形がしやすい。これは、ダイチノユメが品種特性として焼酎原料用にも適する・・・とされる理由の1つだろう。ただ、欠点として、形状が長くなりやすいようで、収穫時の作業性に影響するそうだ。言われてみれば、上側の芋など、どちらかと言えば細身であって、その特性がよく現れていると言えはしないだろうか。
よし!さっそく調理。目指せ蒸かし芋である。
蒸し器にて蒸し上げる事、数十分。蒸かし芋の完成だ。
生いもの時は(土がまだ付いていたからかも知れないが)コガネセンガンと比べて白っぽかったようにも思えたのだが、蒸し上げてみると、色合いに大きな差はないようだ。比較用にコガネセンガンを準備していれば良かったのだが、今更遅いですな。
芋を割ってみる。
画像ではなかなかわかりにくいのだが、コガネセンガンがやや黄色がかっているのに対して、ダイチノユメはより白っぽい。断面の様子から見ると、モチモチっとしたことぶき芋の感じではなく、コガネセンガンのようなホクホクとした食感だと想像できた。
えーと、それでは、こんなにおいしそうに見えますのでぇ、いただきまふ(爆)。
・・・・・・・・・。
・・・?
あれ?あんまし・・・というか、ほとんど甘くない。口の中がモフモフするだけだ。私たちが普通に思い浮かべる“甘み”は芋の芯の方からは微かに風味を感じる程度。皮のすぐ内側の部分など、甘みと言えば皆無。
初めて食べましたが、食用にあまり向かないようです。この芋が
この
美味い焼酎などに化けるのですから、蔵の技術と微生物の働きにリスペクトしたくなっちゃいます。いやぁ、良い経験をしましたよ。
それにしても、焼酎原料用のジョイホワイトについては、糖化酵素「β−アミラーゼ」が欠損しているために蒸しても甘くならないそうなのですが、ダイチノユメのようなデンプン用途の品種はどうなのでしょうか。どなたかご存知の方、教えてくださいませ。 (07.11.08)
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