このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
20度
寿海酒造協業組合 宮崎県串間市
(2005.02.07)
宮崎県串間市で焼酎を作り続ける蔵は3つある。一つが以前紹介したことのある“
松露
”を造る
松露酒造
。そして“かめつぼ造り”で宮崎でも知名度のある
幸蔵酒造
。残る一つがこの“
ひむか寿
”を造る
寿海酒造協業組合
だ。
寿海酒造協業組合の協業化は昭和60年。協業化の経緯は宮崎焼酎を総合的に取り扱うサイト『
みやざき旬ナビ 匠の蔵
』に詳しいが、流通の進歩による域外の大メーカーの侵入によるところが大きいそうだ。協業化による販売量の増強といった生き残り策を選んだのは、石上商店(春光)、吉田焼酎(くろつち)、國光焼酎(國光)、谷村酒造(百薬の長)、玉の露酒造(玉の露)の5場(同サイトより抜粋)。これらのうち、“
百薬の長
”は現在でも寿海酒造協業組合の米と麦の銘柄として引き継がれているし、協業化した各蔵元についても國光焼酎や玉の露酒造など当時の面影を残していたりする。知人にあげてしまって手元にはないのだが、昭和61年詰め口の“ひむか寿”の5合瓶を購入したことがあった。ラベルは色あせてかろうじて図柄を確認できる程度のコンディションだったのだが、通称“
ことぶきかんしょ
”という高系14号(昭和20年選抜の古い品種)のツルが生い茂った様を写した写真のラベルであった。
その後、日南海岸観光のクライマックスとも言える都井岬、幸島を擁する串間市の焼酎らしく、宮崎県の県木フェニックスを図案化したラベルになるが、ここ数年で“赤芋仕込み”を強調したラベルに変わってしまった。その過程で一時期、瓶は赤芋、パックはフェニックスと新旧ラベルが共存した時期もあったが、今ではそれも解消している。
この“ひむか寿”も先の“
松露
”同様、妻の実家帰省時には機会は多くないけれどもお世話になる。串間駅界隈のスナックなどで飲むときには、大抵この2銘柄のうちのどちらかが大ぶりの“ひむか寿”カップに入っていて、The BOOMであるとか、奥田民生の曲を絶唱していたりする。
また、この原料となる“ことぶきかんしょ”は味がよいので、我が家では手に入る期間は常備必須の食材である。ふかして食べるとそれこそ特級の美味さ、甘さを誇る芋であるから、当然といえば当然。薄い紫の皮をはぎ、ほくほくの金色にかぶりつくと、口の中は熱くて熱くて地獄なのだが、feel so niceなのだった。
例に漏れず夏はロック、冬はお湯割りでいただくこの焼酎だが、第1印象として思うのは原料の味が良く出ているという点である。あのほくほくの金色の感じだ。甘く、ほんの少し苦い。地元串間市でもどちらかというと“大人しい”といわれる同銘柄であるが、飲みやすい中にも個性が感じられる旨い焼酎である。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください