このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
明石酒造(株) 宮崎県えびの市
(2009.11.14)
先の本格焼酎ブームを考えたときに、鹿児島や宮崎のかんしょ焼酎を醸す蔵元がその年に仕込んだ若い酒を楽しむ食文化が根付いたというのは一つのプラス側の面として考えている。これまで無かった提供の仕方、文化に着目して提案した進取性、そしてそれを受け入れるだけのゆとり、懐の深さ。そういったものを飲み手を含めた先の焼酎ブームに関わった全ての人々が持ち得ていた。それが為の“新酒の隆盛”ではなかったか・・・と考えるのだ。
いつの間にか“無濾過”といった概念を産み、若い酒の独特の風味を大衆が楽しむようになった。そういった文化は確実に定着しており、この最近でも晩秋ともなればいくつかの新製品が発表されるようである。宮崎の場合は鹿児島ほど事例があるわけではない。いくつかの蔵が季節限定、直販施設限定・・・といった感じでその年の新酒を限定販売するのであるが、県民のどれほどが“新酒”という存在を知っているのか。あまり意識して呑んでいないのではないかな・・・とも思わなくもない。生活の酒である。焼酎生産県でもあり焼酎常飲県ならでは・・・といった事だろうか。
そのような宮崎においても、焼酎の仕込みが一段落する晩秋という季節を感じさせる1本というのはある。そのうちの代表格とも言えるのがえびの市にある
明石酒造さん
の新酒だ。特に大々的に宣伝をやっているのを見たことがないが、“
蒸留したて
”という単純明快直球勝負の酒銘は発売されたばかりの頃はセンセーショナルに感じた。もう10年近くになると思う歴史ある1本であるが、レギュラー品の“
明月
”が米焼酎をブレンドし、ふくらみを感じさせながらどこか優等生を感じさせる味わいであるのに対し、かんしょのみ、若い酒ということもあって、どっしり、愚直・・・と飲み応えのある味わいだ。
この新酒は5合瓶で1,000円ほどという価格ながら、上に書いたとおり、飲み応えのある味わいだ。蒸かしたてのかんしょのイメージをすぐに思い浮かばせるほろ苦甘さに好感を覚えており、毎年発売を楽しみにしている銘柄の一つである。とういわけで、さっそく発売されたばかりの段階で買い求めたのだが、お湯割りで呑んでいたところあっという間に無くなってしまった。
宮崎市内(スーパーだったり、酒販店だったり・・・)で見かけるのは5合瓶だけであったので、その性格から5合瓶に絞っての販売だととばかり思っていたのだが、蔵のHPによれば1升瓶もあるようである。こりゃ、次に買うときにはそっちにしましょうかね。
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