このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
“粕取り同志”である
猛牛師
の最新の大分県日田市粕取り焼酎レポート
『粕取「大海」、健在なり!』
を拝見いたしまして、
井上酒造
の粕取り焼酎“
大海
”が現役であることを知ったのがup当日である先週の1月14日。
レポートによれば蔵にはストックが無く、店頭在庫に頼る状態だという。翌、1月15日の午前10時には、この粕取り焼酎“大海”の確保のため、日田市へ広域農道を北上するのだから、全く、我ながらあきれてしまう。
始めにお断りさせていただくが、実はこの日は天候が最悪であった。宮崎を出発した頃はお日様ぽかぽか・・・な感じでして、「長男坊も風邪をひかずに済むかもねぇ・・・。」などと助手席のwifeと話していたのである。ところが県境を越え、庄内〜湯布院へと至るに連れどんどん天候は悪化していく。水分峠付近では先日降り積もった雪がまだ道路脇に残っているし、山の斜面にのぞく岩からは太いつららが垂れている・・・。日田に着く頃にはみぞれ混じりの雨が降り出してしまった。
そういうわけで、記録媒体“でじたるかめら”を持っていったのであるが、よぅ使いきらんやった。何とか1枚だけシャッターを切ったのが表紙のセブンイレブン日田日高店の入り口のドアだったりするのである(爆)。えっと、一応「日田に行って来ますた」という証拠って事で。
よって画像無しで何ともトピックのないコンテンツとなりそうだが、お許し下さい。
・・・というわけで、日田行きなのである。今回は妻子同行。おまけに長男はまだ乳飲み子だーっ・・・ということで、あちこちで休憩を入れながらのドライブであった。おかげで日田まで普段のペースなら6時間・・・というところを7時間半もかかってしまう。日田に到着したら既に夕方4時半を回っていたのだ。この時点で酒屋を虱っつぶしに回る計画は頓挫してしまった。仕方がないのでポイントを絞っての捜索となる。
まずは井上酒造のある地区へと向かった。猛牛師のレポートに因れば『蔵元曰く、日田市街地に行けば残っているかも』ということであったが、この“大海”が蔵周辺で置かれているポジションのようなものを聞き取りたいと思ったのだ。JR日田彦山線の大鶴駅の近く。この駅も味のある木造駅なのだが、そのうち撮影に再訪するとして、問題の井上酒造である。
粕取り焼酎“大海”
。粕取り焼酎を追いかけ始めた2002年より同社のHPにおいてその存在は知っていた。しかしながら販売量が奮わなかったのか、鹿児島県の大隅半島に同名の芋焼酎があるからなのか。理由はわからないが、いつの間にか井上酒造の商品ラインナップから姿を消していたのだ。実際に日田市を通りがかった際に酒屋を覗くのだが、出てくるのは同じ日田市のクンチョウ酒造の“
三隈
”
。日田市でもっとも市民権を獲得している粕取り焼酎といっても過言ではなく、東は天ヶ瀬温泉の土産物屋にも置いてあったりするのだ。
日田市と筑豊を結ぶ国道211号線沿いに蔵は建っていた。同社の主力製品である清酒“
角の井
”、麦焼酎“
麦と兵隊
”といった看板が蔵の壁にはかけられている。土曜日も夕方だ。蔵の販売所に伺おうと思ったが残念ながらカーテンが閉じられていて人の気配が感じられない。それならと井上酒造と国道と大肥川を挟んで幾ばくも離れていない
老松酒造
の脇を通り抜け付近の集落を走り回ったが、酒販店らしき物は見あたらなかった。酒屋は廃業したあとなのか、それとも古くから酒を求めるときには酒蔵へ通っていた地域だったのか・・・。
ともかく、老松酒造の脇を再度通り抜け、日田市街地へ戻ることとした。最近は“閻魔”や“麹屋伝兵衛”、“骨董屋”などの樽貯蔵物に力を入れる蔵らしく社員や蔵への訪問客の為と思われる駐車スペースには使用済みの樫樽がゴロゴロとディスプレイされていた。ここにも人の姿はない。・・・周辺を見渡してみたが、人影はといえば犬を連れて歩く老人一人だけだった。その後ろを2両編成の日田彦山線のディーゼルカーが駆け抜けていく。
日田市街へ戻る。まずは市街地に入ってすぐのディス屋を覗いた。“三隈”については25度、35度と揃っている。35度の瓶の白濁も特筆物だ。ここの店については書くことはこれくらいで後は胸くそが悪くなるので早々に退散した。有名銘柄にしっかりプレミアを乗せて・・・と言えばどのような店かおわかりいただけよう。
時間がなかったため目に付いた店での調査に終わってしまったというのが今回の日田行きだが、気づいたのは鹿児島の芋焼酎が店頭化されていたことである。いわゆる“ぶーむ”による物なのだろうが、上記ディス屋は論外として、“こだわり”と謳った雑誌で見ることもあるような銘柄まで並んでいたりする。一方、地元大分の麦焼酎だが、地元らしいといえば地元らしい。“いいちこ”、“二階堂”の大分ナショナルブランドと地元蔵元の麦焼酎が仲良く並んでいる。“豊の国(クンチョウ)”、“九州んもん(井上)”・・・。実際には県外焼酎と地元麦焼酎のどちらが売れているのだろうか。ちなみに、清酒については地元蔵元の物が多いようだった。
実はある酒販店で大発見をしてしまった。何と老松酒造の粕取り焼酎である。ひらがなで“
まるき
”というその銘柄は真っ白なラベルの35度の焼酎。瓶の中身を見ると、瓶の内面には付着物が確認でき、液体の性状も若干濁っているようである。その店の女将さんに「井上さんの“大海”はないですか?」と尋ねたところ、棚の奥の方から出してくれたのだ。
曰く、「井上さんの(粕取り)よりも老松さんの方が飲みやすいよ。」とのこと。「ベースとなる酒粕が違うのか、それとも濾過の具合?ふむふむ・・・。」なんて考えているところに女将さんがセールストークを続ける。
女将さん:
「カストリを買う人は珍しかけん、何なら1割くらいまけましょう
か?」
聞けばやはり強烈且つ個性的な臭いで敬遠される様になったという。どこも同じような状況だ。そこまで聞いてこの“まるき”を購入しようと財布を開いたのだが、金が全く入っていなかったのである。wifeのところへ助けを求めに走ったが、
wife:
「焼酎買うと?せっかく日田まで来たっちゃかい、いいよ。幾ら?
えっ!?2500円!?・・・ごめん、4合瓶なら買えるけど・・・。」
垂涎の品を前にして敗北宣言と相成ったのだった。店の女将さんに姿勢を正して謝ったのは言うまでもない。
くっそーっ!!絶対に今月中に再アタックをかけてやるからなぁぁぁぁぁ・・・っ!!
・・・というわけで、宿題をもらってしまったのだ。第2報へ続く(爆)。
(05.01.16)
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