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川越酒造場 宮崎県東諸県郡国富町

(2005.01.23)
川越
私の家から国富町までは車でほんのちょっとの距離。東九州自動車道の下をくぐって坂を上がりきると町の中心に入る。高台を突っ切る通り沿いには商店が建ち並ぶが、一つ裏道に入り込むと南の路地からは本庄川の流れ、そして北側からは水田地帯が望める。宮崎市のベッドタウンの一つである国富町の市街地は大きくないが、、街並みの所々にはこの辺り一帯に点在する本庄古墳群の数基が横たわり緑地となるなどどこかのんびりと出来る風情ではある。

宮崎に住むようになって思うのは風景がとにかく大きいこと。「北海道にゃ敵わない!!」とおっしゃる方もいようが、それはそれでオッケー。私の場合、九州からほとんど出たことがないので、原風景となると「九州の〜」がほぼ入るのだが、筑後平野に沈む夕日や、久住、阿蘇を目の前にしたときにも「大きい。」と思った。ただ、宮崎の場合、少し高い所。例えば台地の様な場所に立つとしよう。東には青い日向灘、西には来たから延びてきた九州山地。そして宮崎平野から南西の方角には農地や低い山が続き、その先にはスッと立った霧島連山の高千穂峰が望める。思わずぐーっと背伸びをしたくなる。

川越”はその国富町の川越酒造場の焼酎である。甘藷の焼酎と米の焼酎が絶妙な“黄金率”でブレンドされたこの焼酎は、焼酎本でこのブームのかなり早い時期から紹介されたり、全日空の機内報
『翼の王国』に掲載されたりと宮崎焼酎の牽引役の一つとなった。そのため、少し前までは売っているところには売っているこの銘柄も入手が非常に困難となってしまった。

男性的な“ 金の露 ”と比較して、柔らかな香りと軽快さが売りの対極にある焼酎である。生でクイッとあおってもスッキリとした甘さに優しさを感じるのだ。お湯割りで飲んだときもそうだが、飲み込んだ後にほっこりとした風味を感じるのはやはりブレンドされた米焼酎に由来する物なのだろうか。軽快とは言っても線が弱いわけではなく、おいしく楽しめるのだった。

蔵を訪問した際に、川越酒造場の
川越善博氏が「他にはない風味の焼酎とおもいますよ。」とおっしゃっていたのが未だ印象に残る“川越”である。
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