このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

藤の露「古酒」
(株)藤本本店 宮崎県東臼杵郡諸塚村

(2004.08.07)
常圧蒸留の麦焼酎である。5年貯蔵の25度。

藤の露”を造る藤本本店は九州を縦に走る九州山地に抱かれた東臼杵郡諸塚村の七つ山地区にある。この地区には諸塚村の婦人部加工グループの草分け的な存在である「七つ山婦人加工グループ」があり、昭和58年に設立。名物『七つ山風味づけ』など、山菜などの山の幸を使った加工品や手作りみそを中心に、商品の開発・加工に取り組んでいるらしい。

加工に使う材料のかなりの部分が会員や村内から供給されるということで、しっかりと今の世の中の流行である地産地消の条件を満たしている。設立と方向付けには、東臼杵南部地区のの農業改良普及センターが関わっているが、活動の継続そのものは婦人部のがんばりに因るところが大きく、昭和62年には宮日文化賞を受賞している。

蔵の4代目である藤本一喜氏の、黒瀬杜氏の宿里時吉氏へのリスペクトで“金羊社”の『 焼酎楽園 』13号を飾った同蔵であるが、歴史は百数十年。西南の役の折、和田越えの戦いに敗れ、深山を薩摩へと敗走する薩軍に自醸の酒を振る舞ったというエピソードも伝えられる。記録を見てみると、薩軍は1877年(明治10年)8月22日から24日にかけて七つ山を通過しており、この際に焼酎が振る舞われたのであろう。

いかにも現地を訪問したかのように書いておりますけれども、、諸塚の中心までは何とか行ったことはあるのだが、蔵のある七つ山地区までは到達できませんでした(爆)。

この焼酎は先日の都城にて開催された“ 故郷の味「本格焼酎」蔵元さんと飲んみろ会 ”において、閉会後のどさくさに紛れて持ち帰った焼酎である。その時はどのくらいの貯蔵期間なのか、酒の性格は・・・などなど、全く知らないままにうまいねぇ・・などとかっくらっていたのである。

麹は米麹。まずは生で試すのだが、深い麦の香りが良い。麦焼酎独特の苦み、しかし貯蔵のためであろう。角の取れた酔い心地の奥にすーっと引き込まれる味わいがある。ロックで飲んだときには、麦チョコとでもいうようなこの銘柄の独特の香りが何とも不思議で、どんな飲み方においても、風味の移行が非常にスムースであることに驚いてしまった。

何で飲んでもオーケーと思いますが、私は何かで割ることがもったいと思っちゃうのでで行きます。アルコール許容に余裕がなかったらロックやお湯割りで飲むこととしましょう。
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