このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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(06.07.10)
甲類焼酎といえば、先の焼酎ブームという巨大なうねりの中にあっては「本物じゃない!」とかどこか格下のイメージを与えられてしまっていた不遇の酒でございました・・・と私は思ってしまうのですね
実際に、私の前の職場では酒と言えばビールに地元清酒もしくは甲類焼酎、もしくは減圧の麦焼酎かっていう具合であったのに、今や芋焼酎、それも“
黒霧島
”が主役に躍り出ていると言うお話を聞いているのでございます。
今や甲類焼酎は酒屋の棚の隅っこに追いやられて、何とかチューハイとホワイトリカーに活路を見いだしている・・・などと“事実無根”な事を言いたくなりますよね。そこの焼酎マニアなあ・な・た(爆)。
だがしかし、いくつかのシチュエーションによっては乙類焼酎では力が強すぎてしまって、甲類焼酎でなければならない事もあるのです。あの、人工的な甘さ、そしてキリリと口の中を締めてくれる瞬間。甲類焼酎の隠れた“妙”が絶対不可欠的にきらりと光るのですよ。 むふふふ・・・。
そうそう、これです。獣肉、特に脂の強い臓物系と合わせた時。
今回のレクチャーの場となったのは宮崎市の歓楽街“ニシタチ”でも老舗の“つぼやホルモン”。ホルモン、レバー・・・と1人前300〜400円のホルモンを注文すると、程なく七輪が目の前に置かれます。目の前で焼き上げられる臓物はまるで宝石のような輝きを見せるのでありまして、じゅじゅじゅぅモクモクと香ってくる獣の脂に生唾を飲むことになるのは必死でございます。
店の兄ちゃんが網を揺すりながら、ホルモンに火を通していきますね。
真っ黒の網と接する部分から、熱によるたんぱく質変成によってホルモンの色が変わっていきます。
じゅうじゅうモクモク・・・と店内にはおいしそうな香りが漂うばかり。
ぼちぼち食べ頃なのでしょうか・・・。リズミカルにホルモンをひっくり返していた兄ちゃんの手が止まります。そして、目の前には宮崎県でも昔から勢力圏を築いている“白玉焼酎”が御鎮座。アルコール度数が20度であるのにも宮崎らしさを覚えずにいられません。
炭火に当てられて適度に脂の落ちたホルモンをタレに付け、口の中に放り込みましょうか。熱々の感触とともにじんわりと広がっていく脂の甘みこれはたまらんですね。そして、ちょっと焦げた玉ねぎ。いやはや、極楽ですよ。
この店で置かれている甲類焼酎の銘柄はこの“白玉焼酎”。この兵庫県産の甲類焼酎は昔から宮崎市近郊で地域的に飲まれているようで、未だ酒屋はもちろん、コンビニ等で店頭化されている姿を見かける。
何口か食べるごとに流し込む白玉焼酎は、すっと切れる甘みとともに肉の脂を口腔の奥へと流し去ってくれる。脂やゼラチン質・・・といったようなホルモンにとって一番のハイライトの所がより鮮明に浮かび上がってくるのでした。
満足満足。甲類焼酎の妙というのがこのような瞬間であったとは・・・。ごちそうさまでした。
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