このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「旭 萬年」
(20度)
(2003.02.14)
(有)渡邊酒造場 宮崎県宮崎郡田野町
田野町と言えば、私が通っていた大学から車で20分ぐらい。
晩秋から冬の季節には、やぐらを使ったスケールのでっかい“
大根の寒干し”が町内の所々で見られ、大根を満載したトラックが町内を行ったり来たりしている。

また、蒸気機関車末期の頃に、九州を代表した撮影地がこの田野町にはある。日向沓掛から田野を出て、青井岳へと向かっていく区間である。鉄道趣味人の中には、夏の暑天の下、小工式デフを付けたC57を追いかけた日々を思い出す方もおられるであろう。

現在の田野町は、神代に海幸彦山幸彦の物語の舞台となった鰐塚山に抱かれた自然豊かな町である。宮崎市から国道269号線を都城方面に進み、バイパスから田野町市街地へと下っていく道をしばらく走ってみよう。この“
旭 萬年”の渡邊酒造場の煙突が見えてくると思う。何かの本で『列車の窓から焼酎蔵の煙突が・・・』という文章を読んだことがあるが、この蔵はまさにその通りでJRの線路のすぐ傍らにある。

大学の助教授が、田野町にある演習林で「和牛の林間放牧」をライフワークにしている。月1回は行動観察に駆り出されていたが、徹夜で牛を見続け(といっても夜間は牛も寝ているだけなので、楽なのだが・・・。)、眠気でぼーっとした頭で蔵の横を帰っていた。また、サークルの飲み会の差し入れにと麦焼酎の「
万年 」を買いに行ったりと、何かと縁の深い蔵元である。ホンに大好きな蔵元さんです。

だが、残念でならないのが他の宮崎県内と同じく、町内で飲まれる焼酎の銘柄は都城市の大メーカーのものが圧倒的であるということ。古くから「萬年やないと。」という人も地元にはいるが、若い世代はそういった大メーカーのブランドに流れていく。なんだか寂しい現実ではあるが、都市部での評判がよいなど明るい話題もあり、頑張って欲しいです。

この5合瓶は、1年前、たまたま利用した田野町内のファミリーマートで購入したもの。聞けば、町内のコンビニでは唯一「萬年」を扱う店らしく、運がいいというか・・・。先日ごそごそと押入の中を探し回り、やっと太陽の光を浴びたのである。さっそくお湯割りで飲んでみる。

20度という事で薄くなりすぎないように湯を注ぐ。口に含むと非常に甘く柔らかい風味である。宮崎の焼酎とは概して大人しいものであるが、この“萬年”は非常にしっかりとした風味を持ち、鹿児島の焼酎にもひけをとらない。思わず飲み過ぎて、気が付いたら瓶が半分になっていました。私としては「お湯割りで楽しむのが一番!!」です。

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