このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
20°
(株)正春酒造 宮崎県西都市
(2005.07.13)
蔵の“二代目”黒木正英氏と、その“妻”春婦人の夫婦仲の良さから命名された焼酎であるが、昔からブランドイメージである桃色の色調から優しい味わいを思い描いていた。
昔の味わいは知らないが、香り風味とも強く、20度ながら飲み応えはある。ちょっとひねったような甘み(穀物由来のものなのだろうが)が特徴だが、何処か優等生ぶりを感じさせるスマートさを感じさせ、何だかよく分からないが美味しく飲めてしまう焼酎である。
この
正春酒造
の焼酎を見たのはやはり大学時代である。大学入学と共に宮崎焼酎との関わりを持ったのであるが、当時知っていた宮崎の銘柄は当時既に存在しなかった“
浜ゆう
”と“
雲海
”、“
天照
”、“
くろうま
”くらいで、何と“
霧島
”の存在すら頭になかったのだ(爆)。ただし、“霧島”の猛威はすぐ私の肝臓を襲うのであったが・・・。
コンビニの酒類棚。緑色のちょっと変わった形の5合瓶は長く売れ残っていた。県央随一と勝手に思っていたそのラベルはだんだんと色あせていき、そのコンビニもつぶれてレンタルビデオショップになってしまった。
大学卒業後いったん就職、そして宮崎へ戻ってくると、“
正春
”はとてもあっさりとした図案へ姿を変えていた。気が付くと蔵元も福岡の
明太子会社の関連会社
へとなっているようだ。“正春”も主力銘柄の座を古代の神話から名前を取った“
逢初
”へと明け渡してしまった感がある。
このように変化の多い同蔵元であるが、西都市にいくつも焼酎蔵があった頃には『美味い焼酎』として西都中を席巻した時代もあった(地元の酒屋談)。その後、“
霧島
”の流入により西都の焼酎地図は大きく塗り替えられている。
蔵元はこのように変化をしているが、蔵のある地元西都市三納地区の風景は変わらない。長谷集落では毎年初夏になると無数のホタルが舞うし、今からの季節。杉林にこだまするヒグラシの鳴き声が夏から秋へと移ろう時間の経過を教えてくれるはずである。
最後になるが、西都市で今もっとも飲まれる焼酎は上記の通り、“霧島”である。そのような中であっても蔵元を抱える西都市は何らかの会合に駆けつける際にはこの蔵の焼酎をくくってもらうことも多いようだ。
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