このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
松露酒造(株) 宮崎県串間市
(2006.06.30)
串間市は鹿児島県志布志市と隣り合う県境の街だ。
市街地はJR日南線の串間駅を中心に広がっており、その賑わいも郊外にちょこっと走ると急に終わってしまう。清く正しい地方都市のあり方を示していると言えよう。繁華街は駅の直ぐ南側で、国道沿いにへばりつくように存在している。店のアイデンティティを誇示するのはやはり地元の2大銘柄の焼酎看板だ。
このような街なのだが、どこか街の景色が日南までの宮崎らしい風景とは違うように感じることが往々にしてある。
単に地方都市だからという理由からではないだろう。これはどうも、目には見えない“点線”である県境の向こう側の香りが色濃く風景に漂っているためのようである。同市の大束地区で見られる様なからいも畑がずーっと広がっていて、荒涼とした感じだ。大隅半島から起伏を持って連なる台地が直ぐ足下まで延びてきているからだろうか。いつも風が強い印象を持っている。時に潮の香りであり、時に土の香りだ(串間市は甘藷栽培だけでなく、南那珂郡市の家畜市場を抱えていることもあって、養牛も盛ん。だからなのだろう)。
私がこの銘柄を初めて購入したのは、JR串間駅の向かいの商店街にある酒屋さんだ。季節に関係なく、開けっぴろげな感じで商売をされているお店なのだが、その陳列棚の中央に、この地元蔵元の無濾過“からいも”焼酎が御鎮座されていた。この蔵のレギュラー銘柄“
松露
”のラベルが鮮やかな図案であるのに対し、こちらはしっとりと落ち着いている。
“
松露
”と無濾過の“
うすにごり
”との中間に当たる銘柄なのだそうだ。ラベルには白文字でこの銘柄と蔵の主張が簡潔に添えられている。
そのラベルの“オススメ”に従って、ロックで飲んでみたら、じんわりふんわりと美味い。調子に乗って、生で飲んでみたら、パッと芋の甘みがふくらんでいくようでやっぱり美味い。でもでも、お湯割りで飲んじゃいけないってことは当然ながらない。当然ながら、お湯割りもやっぱり美味い(爆)。
気が付くと、『美味い』がこんなにも並んでしまって申し訳ないのだが、うふふとコップ片手ににやけたくなる酒であることには変わらないだろう。だが、このような商品の特性上、あまり地元では飲まれていないようではある(“うすにごり”も同様)。美味いだけにそれがちょこっと残念。
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