このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

無濾過・芋
(有)渡邊酒造場 宮崎県宮崎郡田野町
(2003.02.23)
実は前回紹介した渡邊酒造場は20度の「 旭 萬年 」。5合瓶とはいえ、3日で空けてしまったのである。近年稀にみるハイペースというか、空瓶を眺めつつ自分でもびっくりしてしまった。やはりうまいものはうまいということであるし、この銘柄そのものに魔物が潜んでいるのである。ほら、見えるでしょ?ラベルの松の木の影に・・・。

実は今日、「一度は行ってみたい。」と以前から思っていた福岡県宇美町の 宮内酒店 に行ってきたのだった。HPを見ていたところ、次のような文句が目に付いた。
「こ・・・こいつは本物だぜ・・」
万年 芋 無濾過発売決定
価格は1.8 3000円
今季600本の瓶詰め
日本で0.00006%の人しか買えません
2月下旬を待て!!!
萬年の無濾過!?日本で0.00006%の人しか買えないだと!?
これはもう買うしかないと直感。しかし彼女の怒った顔が頭をよぎる・・・。
「また買ったっちゃろ?何処にしまうとよ?」
だがしかし、強烈な宣伝の文の下にあった「あっという間に予約が・・・」や、「予約だけはしといた方がいいです  マジで・・」というのを見て、理性はぶっ飛んでしまった。

“一路宇美町へ。都市高な人”となったのは言うまでもない。しかも嬉しいことに、発売初日に購入することができたのだった。ホント幸運である。


さて、彼女にばれないように家に持ち込んだ透明の一升瓶である。褐色のラベルは和紙を使用した上等の物。そこを舞台に『萬年』の文字が妖艶に踊っており、『旭』の朱色がよいアクセントとなっている。そして中央には『無濾過・芋』とデンと主張しているのだ。中の液体はその通りでしっかりと濁っている。

くるっと瓶を回してみれば裏ラベルもあり。『
濁りに意義あり。造りに歴史あり。』という文章で始まり、イモや麹、酵母などこの銘柄の商品説明がなされている。その中でも好きなのがこのフレーズ。『濾過技術が発達していなかった昭和20年代の焼酎の色合いや風味を再現』、『古き良き時代』・・・。うーん、(そういった世代ではないが・・。念のため。)石炭の香りにあふれていた蒸気機関車の時代とリンクするじゃないかぁ・・・。そのようなことを考えてしまったのでした。んでもってラベルは『4代目専務 渡邊 幸一郎』さんの名前で締められるのである。

「これは期待できますなぁ・・・。」

とりあえずの隠匿場所をP箱に確保しニヤリとしたのであった。

ようし、飲むぞ!!
と、封を切りコップへと注ぐ。ぷわ〜んと芋の香りが立ち上り、この時点で彼女に購入したことがばれる(泣)。コップの中身はかすかに白濁し、嬉しい存在感だ。度数は28度。さぞかし荒々しい風味だろうと想像した。

だが口に含んでみて?となる。意外と穏やかな感じなのだ。生で飲んでもあまり度数の強さは感じさせない。しかしながら飲みごたえはばっちりで、口の中に広がる芋焼酎の華やかさは何とも言えないのである。無濾過ものでも宮崎の風土にかかるとこうなってしまうのだろうか。そういったところが焼酎の面白いところだと思う。

生で飲んでも良しお湯割りでゆっくりと味わうのも良し。私といたしましてはこの二つをお勧めします。
旭 萬年

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