このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

彩花
-saika-
寿海酒造協業組合 宮崎県串間市

(07.10.31)
串間市にある 寿海酒造協業組合 さんといえば、地元特産の赤い芋である“ことぶきかんしょ”を用いた“ ひむか 寿 ”が有名。最近、黒麹仕込みのものも新発売するなど南那珂地域を代表する個性蔵だ。すっきりと甘いこの代表銘柄についてはこれまで何度か紹介したことがある。

さて、蔵のある串間市は山地と丘陵が続き、日向灘や志布志湾に注ぐ福島川、本城川、市来川といった河川の河口部には水田地帯が広がっている。同市は宮崎から日南海岸を南下する観光ルートの終着点だ。南郷町から海沿いに進めば一般にも公開されている県の亜熱帯作物支場(道の駅なんごう)や同市市来地区の石波海岸に浮かぶ“野生猿の楽園”幸島を見ることができる。この国道448号線を下るルートは災害に弱いという欠点はあるが、景色も美しいので一度は体感してもらいたい道である。ちなみに、県内を代表するサーフスポットである恋ヶ浦は終点の都井岬も迫ったあたり。この付近は県外ナンバーをつけた車で賑わってはいるものの、全体的にゆっくりとどこか懐かしさを感じる道が続いている。

市の南東部には日向灘に投げ出されるように都井岬が位置しており、野生馬“御崎馬”がのんびりと草をはむ光景を見ることができる。新婚旅行ブームの頃には多くの観光客であふれかえったのであろうが、都井岬灯台付近には今は休日であっても人影もまばら。遮る物が無いにもないので強い風が体を抜けていくが、灯台から見る日向灘は深く、青く・・・。ある意味、サイハテの風景なのだろう。

市の中心部にはコンビニやスーパー、レンタルビデオ店といった一通りの生活環境は整っている。ボーリング場だってある。だが、地方の小都市らしく、どこか昭和の雰囲気が漂う静かな街だ。時折、JR日南線を行き来するディーゼルカーのタイフォンが響く。その様なロケーションだから、過去、何度かドラマのロケ地として選ばれたこともある。

いい加減に焼酎の紹介に移ろうか。

この銘柄は地元ではあまり見かけなかったりする。串間市内では同市で醸される2大銘柄が幅を利かせている状況で、甘藷焼酎と麦焼酎のブレンド物であるこの銘柄が入り込む余地は無いのかも知れない。ただ、1升で1000円ちょっとという破格な値段設定が魅力的な経済酒だ。香りについてはほのかに甘藷の香りが立つのであるが、全体的には軽快。ヘビーユーザーには飲み足りなく思えるかも知れないが、お湯割りやロックでぐいぐい楽しむにはいい焼酎だと思う。
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